★2027年「リニア中央新幹線」先行開業!名古屋の中心市街地は“面開発で賑わいある街づくり”を





◆脚光を浴びる「名古屋」?

 2027年に先行開業予定の「リニア中央新幹線(超電導磁気浮上方式走行:JR東海)」は、まず「東京都」から「名古屋市」までの区間が、最速で約40分間で結ばれる予定です。その後、「東京都」 から「大阪市」までの区間(最速:約67分間)の全線開業が2045年の予定の為、あくまで計画上では、全線開通までの18年間は“名古屋にビッグチャンス到来!”と考えるのは、筆者の姑息な捉え方でしょうか。今、名古屋駅前の再開発事業は、リニア中央新幹線の名古屋開通を見据え、粛々と進行しているというのが現況です。

◆再開発事業が進行中の「名古屋駅前」

 具体的に、建設中の新ビルをその「高さ」順にご紹介すると、(1)「JR東海」の新ビル(名古屋駅新ビル(仮称)計画:220m/46F建て)、(2)「日本郵便・名工建設」の新ビル(名駅一丁目計画(仮称):195.7m/40F建て)、(3)「三菱地所」の新ビル(大名古屋ビル及びロイヤルパークイン名古屋の建替計画:174.7m/34F建て)の3つです。いや、より正確にお伝えするならば、その他に「再開発計画(一部進行中)」があり、それは次の3つです。(4)「名駅四丁目10番地区開発計画(第二豊田ビル)」、(5)「名駅再開発構想(名古屋鉄道)」、(6)「ささしまライブ24(SL24)の推進」です。その背景には、当該ブログの過去記事【※1】でご紹介のとおり、名古屋市の「都市再生緊急整備地域(385ha)」のうち、改正政令で新たに【名古屋駅周辺・伏見・栄地域(110ha)】が“特定都市再生緊急整備地域”として指定されたという経緯があり、名駅前の再開発事業のみならず、個人的には、当該地域の連続性のある開発に期待を寄せています。

 
◆「名駅地区」再開発の構想は

 名駅前の再開発事業が進行する中、それに関わる「名古屋駅地区街づくり協議会(神尾隆会長:東和不動産相談役)」は、《地域の価値が高まればビルの価値も高まる(日本経済新聞記事)》との考えに基づき、当該協議会の役割を《再開発の事業者が『駅と駅前の利便性を高める』という目的で一致する必要がある》として臨んでいます。また、「名古屋市住宅都市局まちづくり企画部(山田淳参事)」は、《駅前緑化のほか、周辺道路との接続や路線の乗り換えの利便性を高める》との考えに基づき、《地域の回遊性を高め、一体感を作っていく》方針で、《来年秋をめどに全体のビジョンを策定する》との報道(前掲同紙)で、前述の期待も大いに膨らむといったところでしょうか。

◆人にやさしい「駐輪場」の整備を

 過日、東京駅舎が復元されましたが、エコブームと相俟って、この度、放置自転車対策で東京都条例が施行(7/1日付)されたところです。当該条例の詳細について、ここでは語りませんが、実は「名古屋駅前」は、残念ながら、かつて“不法駐輪”で全国ワースト1だったのです。しかし、現在の名古屋駅周辺は、各要所に「有料駐輪場」が整備され、とりあえず汚名は返上できたのではないか、というのが一市民としての感想です。そして更に、名古屋駅前の再開発工事で建設中の新ビル(前掲(3))の地下には、“中部初の大規模な機械式駐輪場が1,000台分整備(日経産業新聞記事)”される予定ですので、「名駅地区」に対抗する「栄地区」を、より一層人が集う場所として再生を目指すなら、“自動車駐車場”の整備だけで満たされるものではないと考えます。


◆「名駅地区」に対抗する“栄地区”

 ご承知のとおり、名古屋を代表する繁華街として、「名駅地区」に対抗するのが「栄(サカエ)地区」です。今となっては、国内のみならず、世界各地に展開して話題となっている「AKB48」【※2】の存在があります。その姉妹グループ「SKE48」専用の「SKE48劇場(サンシャイン栄ビル2F)」が、過日、マスメディアを通じて披露されました。これは、「AKB48」のホームグランドである「秋葉原」と同様、当該劇場を擁するこの「栄地区」は、「SKE48」の聖地?と化し、当該グループ名が示すとおり、「栄(サカエ)」地区の知名度は、更にアップしたのではないでしょうか。

◆“新オアシス”誕生を

 閑話休題、当ブログで主張する「栄地区」の対抗とは、前述の内容を意味する訳では毛頭なく、勿論、焦点は、再開発事業を含めた“街の発展そのもの”にあります。因みに、「栄地区」の2013年分の最高路線価(1/1日付現在。国税庁7/1発表)は、「名駅地区」のそれ(600万円/㎡)に比し、約7割強に留まっているのが現状です。一方、地デジ完全移行後、TVアンテナが撤去された「名古屋テレビ塔」は、河村名古屋市長の当初の意向どおり残されましたので、今後はその活性化策に委ねられるというところです。当ブログの過去記事【※3】では、叶うことならば、「名古屋テレビ塔」を中心に、《既存の地上広場(ロサンゼルス広場)と共に拡充してその連続性を確保し、栄地区のコア部分に市民が自転車で集える広場》にすることが“新しいオアシス誕生”に繋がるのではないか、と述べた訳です。

   
 

◆「名駅地区から栄地区」間の“面開発”を

 今後の「栄地区」構想においては、「名駅地区」に対抗するにとどまらず、「名駅地区」と「栄地区」を面で結節すべく、立体的開発が必要ではないかと考えます。実際、「名駅地区」から「栄地区」までの直線距離は約3㎞で、徒歩で約30分の区間です。当該地域には、「オフィス街(伏見)」はじめ、「繊維問屋街(長者町)」や複数の「デパート」の他、世界最大のプラネタリウムドーム(直径35m)を擁する「名古屋市科学館(ブラザーアース)」【※4】や「名古屋市美術館」や公園等もあり、市民が集う街になっています。
 因みに、このエリアについて、都市学者の越沢明氏(北海道大学大学院教授)は、町の回遊は《路面電車を復活させたらいい》と提言(7/3日付:日本経済新聞記事)されています。確かに、昔の名古屋市街では、路面電車が生活の足として便利でしたが、“自動車王国”を誇る名古屋では、今はその姿も消えました。越沢教授の「提言」を踏まえるならば、現在、富山市内を走行している未来的外観の電車「ポートラム(富山ライトレール株式会社)」のように、“バリアフリー低床車両のエコ電車”が、既存の名古屋市営地下鉄と共生していく手法も検討すべきかもしれません。
 ただ、ここで名古屋市民は、「名駅地区」から「栄地区」の面開発を想定するなら、「堀川」の存在を忘れる訳にはいきません。「堀川」については、これまで市民を巻き込んだ浄化活動が活発化していますが、名古屋市民の日常生活や観光ツールのひとつとしても活用できる“シーバス”を交通機関のひとつとして活用できれば、より一層の賑わいを確保できるのではないかと考えます。

   

◆“人車逆転”の発想を受容できるか

 この「名駅地区」と「栄地区」の“未来予想図”について、有識者グループ「名古屋の街づくりを考える会」(委員長・奥野信宏中京大学教授)による名古屋市への「提言(2013/6/14日付)」が報道されました。当該「提言」で注目した点は、《駅前は自動車専用の道路を地下に潜らせ、地上は歩行者中心の空間にする》という内容です。と言うのも、“名古屋人(ナゴヤジン)”はその都心において、日常から「地下街」を巡って移動する【※1】ことに慣れている為、(1)ショッピングは勿論のこと、その他、(2) 地下鉄に乗車する為、地下街の改札口から入る、(3)自動車交通の危険を回避できる、(4)雨天時は雨に濡れないで通行できる等の恩恵を、「地下街」から享受して生活していると言っても過言ではないからです。こうした現実生活を踏まえれば、まさに“人々が集える街づくり”のためには、前述の“人車逆転”の発想を受け入れる必要があり、われわれ名古屋市民は、新たな“発想の転換”を迫られることになるのです。果たして、名古屋市民は、その発想を選択することができるのでしょうか。

◆“人々が集える街づくり”のために

 名古屋は、東京と比較すると「高層ビル群」が少ないので、空間にはまだ余裕があると思います。勿論、当地には大手自動車メーカーのオフィスが所在し、自動車の往来もさることながら、“防災都市”を目指して広い道路(道路幅:100m)を整備してきたという歴史があります。今後は、所謂「エコカー」の普及を進行させるなら、そのインフラ整備も急務となります。更に言えば、人の移動手段として、安全なコミュニティービークルのような乗り物も、生活移動の一手段として現実化されることを期待しています。そして、「名駅地区」&「栄地区」を面とする“一体的かつ立体的開発”で、高度な都市機能を集積できることを願うばかりです。「リニア中央新幹線」の名古屋先行開業が、その大きな節目になるものと思います。ただ、現段階では、河村名古屋市長の主張する“400万都市、名古屋”の全貌は未だ不透明で、名古屋の都市開発に期待すると共に、その行方も見守っていきたいと考えている今日です。

【ご参照】
【※1】ブログ記事(2012/2/11日付)
 :『★偉大なる田舎「名古屋市」は“400万都市”に変貌できるのか』。
  URL http://www.jsbb.jp/st/14692/
【※2】ブログ記事(2013/6/10日付)
 :『★《速報》「第5回 AKB48選抜総選挙」結果』。
  URL http://www.jsbb.jp/st/23599/
【※3】ブログ記事(2011/7/26日付)
 :『★“地デジ”完全移行後の「名古屋テレビ塔」の生き残り策は市民提案と再開発の一体開発を』。
  URL http://www.jsbb.jp/st/8538/
【※4】ブログ記事(2011/3/12日付)
 :『“世界最大の新プラネタリウムドーム”の開館間近!』。
  URL http://www.jsbb.jp/st/6380/