「独立業務請負人」という働き方 (請負シリーズ19)

◆独立は、「スローキャリア」な生き方
 かつてブームになった「スローフーズ」ならぬ「スローキャリア」という新しい働き方を紹介しているのは、「スローキャリア(高橋俊介著)※1):PHP研究所」という書籍で、「自分にとって満足できる働き方とは何か。キャリアアップとはどういうことか。」を自分自身に問う機会を与えてくれます。「スローキャリア」を一言でいうと、《出世を第一とせず、仕事のやりがいや価値観を重視した生き方のことである。》と著者は述べています。つまり、《地位や収入・企業のブランドにこだわるのではなく、自分らしさにこだわって仕事をする》こと等に該当します。そして、当該書籍の「第7章スローキャリアにおけるさまざまな選択肢」では、《最近は人事や経理といった職種でも、複数の企業とプロジェクトやアウトソーシングの形で業務委託契約を結ぶインディペンデント・コントラクターという形態も出て目立つようになってきた。》と、「スローキャリア」な生き方の一つとして、独立という選択を挙げているのが注目されます。
◆「独立業務請負人」とは
 すでに皆様ご存知と思いますが、「インディペンデント・コントラクター(IC)」とは、「独立業務請負人」と呼ばれています。そもそも「請負」とは、《ある仕事を全責任をもって引き受けて完成することに対して、注文者が報酬を支払う契約。(広辞苑)》とありますが、ここでは、《期限付きで専門性の高い仕事を請負い、雇用契約ではなく業務単位の請負契約を複数の企業と結んで活動する独立・自立した個人》のことを指します。そして、すでに団体※2)として広く活動されており、《サラリーマンでも、事業家でもなく、「雇われない、雇わない」というフリーエージェントである働き方が、「IC」の生き方》と定義されています。
◆自分自身のキャリア蓄積を
 米国ではすでに900万人近い「IC」が活躍しており、今後日本でも企業の本業回帰の流れと、外部にある知恵を有効に活用していきたいという意向から、「IC」という働き方が拡大すると言われています。「IC」の働き方は、これまでの自分の知識や経験等を雇用という枠を超えて数多くの企業に提供していくことで自らの存在意義をアピールできるというメリットがあります。当団体は、とくに30歳代以上の働く人々と、企業経営者・人事部門の方々に広めていきたいとの方針です。現在のわが国において若者の働き方は多様化しており、今後、「IC」の働き方がどこまで浸透するかわかりませんが、「IC」のように独立した働き方をめざすのであれば、単に保有資格を増やすことに留まらず、自分自身のキャリアを蓄積していくことが併せて肝要と考えられます。
※1)78年東京大学エ学部卒、84年米国プリンストン大学エ学部修士課程修了。現ワトソンワイアット(株)に入社後、93年同社代表取締役社長に就任。2000年慶応義塾大学院政策・メディア研究科教授に就任。
参考:※2)「特定非営利活動法人インディペンデント・コントラクター協会」公表資料。理事長:秋山進氏(京都大学経済学部卒。(株)リクルート入社後、98年より「IC」として独立。)。全会員数458名:2006年10月現在。