「IC」をめざす道もある (請負シリーズ27)

◆自動車メーカーは将来を見据えて
 世界同時不況の影響を受け、わが国内大手自動車メーカー社長は、年度末業績予想の下方修正発表で「販売の底が見えない」との記者会見をしました。そして続けて、「環境対応車やコンパクトカー等への代替需要はある」とし、「技術開発を進めていくことが重要だ」という考えを表明しました。一方、他の自動車メーカー社長は、この非常事態に経営者は何をすべきかというメディアの問いに対し、「内なるコストダウンを早くすべきで、クルマ離れ対策が急務だ」と回答しています。自動車を製造すれば必ず売れる時代はすでに神話となった現在、両社長の考えは自動車危機を乗り越えるのに重要な視点であり、代替エネルギー仕様のサスティナブル自動車開発等、時代の転換点に当たる今こそ新雇用創出への努力も必要ではないかと考えます。
◆派遣労働者とは異なる直接雇用の「期間従業員」
 将来の自動車論はさておき、近年、海外の売上で躍進してきた大手自動車メーカーは、冒頭に記したとおり、世界同時不況の余波が続く中、「派遣切り」が社会問題化しました。派遣労働者が「雇用の調整弁」の役割とされてきたのも、これまで規制緩和を重ねてきた労働者派遣法により機能してきた訳ですが、そもそも「派遣労働者」は派遣元事業主である派遣会社と雇用関係にあるので、派遣元と派遣先の両者間で締結された労働者派遣契約が解約となれば、当該派遣先における業務に従事することはできなくなるのは自明の理です。他方、「期間従業員」は働く期間を限定されて労働契約を締結していますが、当該企業に直接雇用されている点でその雇用形態は派遣労働者と異にしていることを、改めて承知しておかなければならない現状となりました。
◆当面は「住居&仕事」の確保を
 不幸にも「派遣切り」に遭遇した非正規労働者は、「もう、容易にリストラ対象とされるのは御免だ」という意思に基づき、今度は正社員での就職をめざしてハローワークで仕事を探すも、自分に合った仕事を見つけることができないという現実に直面しています。勿論、今後生きていくためには、就労して収入を得なければなりませんが、全国のハローワークをはじめ、地方自治体等も臨時の雇用態勢に臨んでいますので、まずは住居を確保し、その上で当面の仕事の確保に専念してください。
◆「IC(独立業務請負人)」をめざすなら
 当ブログ記事(08/12/12):「今まさに『252』は非正規雇用労働者!」でご紹介しましたが、「適当な仕事が見つかるまではバイトで繋ぎ、正社員への道を探る」という非正規労働失業者のナマの声もありますが、世界同時不況の「大津波」は正社員のリストラにまで波及しようとする今日ですから、片手間のバイト生活では将来の安定は望めません。そこで注目されるのが「請負」という働き方です。現在は「IC(インディペンデント・コントラクター)」と呼ばれ、《期限付きで専門性の高い仕事を請け負い、雇用契約ではなく業務単位の請負契約を複数の企業と結んで活動する独立・自立した個人》を指します。すでに団体※1)として広く活動されており、《サラリーマンでも、事業家でもなく、「雇われない、雇わない」というフリーエージェントである働き方が「IC」の生き方》と定義されています。今後「IC」をめざすならば、当面の仕事で収入を上げて日々生活する中で自己啓発に努め、スキルのブラッシュアップやキャリアアップで専門性を高め、「IC」となるべく将来の自分を確立していくことは、生きるための一つの方法と考えます。
参考:※1)「特定営利法人インディペンデント・コントラクター協会」公表資料。全会員数458名。