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2008.04.25

適正な請負 (請負シリーズ1)

◆「指揮命令の有無」がカギ
 請負は、「当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる(民法第632条)」という性質を有するもので、注文主と労働者との間には、指揮命令関係が生じないことが前提となっています。注文主の指揮命令を全く受けない点において、労働者派遣とは明白に区別されています。つまり、労務使用形態としては、「雇用主」と「使用主」が一致していなければなりません。
◆請負の区分基準
 この労働者派遣と請負の判断を明確にするために、「区分基準」※1)が告示されています。これは、請負充足要件で、請負事業と判断されるためには、すべてこの基準(自主点検は14項目)を満たさなければ、労働者派遣事業に該当する可能性があると判断されることになります。また、請負は労働者派遣法の規制を受けませんので、業務内容や業務委託期間等については、契約当事者間で原則として自由に定めることができます。現在、適正な請負契約と認められるためには、次の4要件をすべて満たさなければなりません(職業安定法施行規則第4条第1項。昭和22年12月29日労働省令第12号。最終改正:平成19年8月3日厚生労働省令第102号)。
1.作業の完成について事業主としての財政上及び法律上のすべての責任を負うものであること。
2.作業に従事する労働者を、指揮監督するものであること。
3.作業に従事する労働者に対し、使用者として法律に規定されたすべての義務を負うものであること。
4.自ら提供する機械、設備、器材(業務上必要なる簡易な工具を除く。)若しくはその作業に必要な材料、資材を使用し又は企画若しくは専門的な技術若しくは専門的な経験を必要とする作業を行うものであって、単に肉体的な労働力を提供するものでないこと。
◆「請負実態」は充たされているか
 また、同法施行規則第4条第2項では、「前項の各号すべてに該当する場合であっても、それが法第44条※2)の規定に違反することを免れるため故意に偽装されたものであって、その事業の真の目的が労働力の供給にあるときは、法第4条第6項※3)の規定による労働者供給の事業を行う者であることを免れることができない」と定めています。従って、請負契約として契約書を交わしているにもかかわらず、人材派遣を行っていると判断されて派遣法が適用されることのないようにするためには、その請負が、「実態として要件を満たしている」ことが一番肝要なのです。
◆「両罰規定」有り
 無許可で一般労働者派遣事業を行った場合は、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(労働者派遣法第59条2号)」、無届出で特定労働者派遣事業を行った場合は、「6月以下の懲役又は30万円以下の罰金(同法第60条1号)」に処せられる可能性があります。そして、請負事業主だけでなく、注文主に対しても両者同様の処罰となります(職業安定法第64条9号)。
※1)区分基準:「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(昭和61年4月17日労働省告示第37号)」。
※2)職業安定法第44条(労働者供給事業の禁止)ご参照。
※3)職業安定法第4条第6項(労働者供給の定義)ご参照。
参考:当「人事総務部」ブログエントリー「製造業界における2009年問題」及び「労働者派遣とコンプライアンス」ご参照。「厚生労働省業務取扱要領」厚生労働省。「労働者派遣法の改正点と実務対応(安西愈著)」労働調査会。