雇用創出プラン(福祉雇用)の提言

◆本当に「雇用のミスマッチ」なのか
 世界同時不況による異常な雇用危機に対し、地方自治体が実施しているのは2~3ヶ月間の臨時短期雇用のため、期限到来で終了してしまいます。次の一手をどのように考えているのでしょうか。実際のところ、政府や厚生労働省は掛け声だけで地方自治体に一任(丸投げ)です。マスコミやエコノミストは、人材が不足している「介護・農業・林業」分野に人材をシフトすべきと、ひたすら「雇用のミスマッチ」を訴えています。しかし、この雇用危機に対して、一体誰が真剣に考えているのか疑わざるを得ず、製造業に従事している非正規労働者の生活を真剣に心配しているとは思えません。
◆厳しい現実にある「職種転換」対象分野
 というのも、「介護」に従事するには当然ハードル(資格)が必要です。ならば、その資格取得費用はどこから捻出するのでしょうか。資格取得できるまでの期間、生活保障はどうするのでしょうか。本人の住まいは確保できるのでしょうか等々。現実、介護業界における一番大きな欠員は「訪問介護」で、次に「施設介護」ですが、マスコミやエコノミストは訪問介護者の現実の給与を知った上での話なのでしょうか。介護関係の大半の求人募集は、1件当たり900円程度です。介護事務所(会社)を出発してから帰社するまでの時間を含めて900円です。いったい1日で何軒訪問できると思っているのでしょうか。介護分野への職種転換を図ろうとするならば、各地方自治体が介護分野への就職を希望する人々を1年契約の直接雇用で集合教育を行い、資格取得後も自治体から各施設や業者に派遣するというような対策でなければなりません。であるならば、ある程度職種転換は可能になるものと考えます。「農業」や「林業」も然りで、安定した職場があるのでしょうか。農協で直接雇用して各農家に派遣する等が想定できますが、実際、1年間安定した仕事がある農家や林業従事者は何%あるでしょうか。年間を通じて繁忙であれば、都会へ出稼ぎ労働に行く必要はありません。職種転換はそんな生易しいものではないと思います。
◆長期雇用を前提とする「雇用創出プラン」
 そこで、医療及び介護業に係る施策として長期の「雇用創出プラン」を提言するという話です。長期雇用を前提とするなら、地方自治体が各県立高校に介護科や福祉科を創設する以外の方法は無いと考えます。希求されるのは喫緊の雇用確保です。今日の仕事であり、今日の住まいなのです。この雇用問題を解決するためには、国は経団連に、そして、地方自治体は各メーカーに対して各々が雇用(海外生産の内製化)を依頼し、それに対して雇用助成金を給付して雇用確保をすることが必要です。まさに、これが“福祉雇用”にほかありません。仕事があれば住まいの確保も同時に解消できます。優先されなければならないのは「仕事」なのです。この雇用対策に今取り組まなければ、円高の影響でメーカーによる生産の海外移転が更に加速するものと懸念します。つまり、現状のままでは雇用は負のスパイラルに陥って加速し、更に失業者が増大するものと推測します。ただ、海外生産を全て内製化するのではなく、国内消費に対応できるだけの量で充分と考えます。当プランでは、これまで実施してきた国内生産後に商品検査だけを海外に依頼した後、また国内へ搬入してきた仕事も含めて対応することが可能です。こうした現状を打破するためにも、この「雇用創出プラン」こそベストと言えるものと思います。
【註】◆当ブログ記事(08/12/9日付)「福祉雇用体制の構築を急げ」ご参照。