消費生活に係る法律の改正について

◆改正特商法・割賦法が成立
 近年、高齢者に高額商品を売りつける訪問販売の悪質商法によるトラブル増加等に対し、厳しく規制する「改正特定商取引法」及び「改正割賦販売法」※1)が成立(平成20年6月11日。平成20年6月18日法律第74号公布。)※2)しました。両改正法の概要(一部略)は、以下のとおりです。
(a)規制の後追いから脱却するため、クーリング・オフに馴染まない商品・役務※3)(例:生鮮食料品、葬儀)等を除き、訪問販売等におけるすべての商品・役務を規制の対象としたこと等。
(b)①契約を締結しない旨の意思を示した消費者への勧誘の禁止。②通常必要とされる量を著しく超える商品等を購入する契約を結んだ場合、契約後1年間は契約の解除等を可能とした。
(c)①個別クレジットを行う業者を登録制の対象として行政による監督規定を導入。②加盟店の行為について調査義務付け、不適正な勧誘があれば消費者への与信を禁止。③虚偽説明等による勧誘や過量販売を行なった場合、個別クレジット契約を解約し、既に支払ったお金の返還も請求可能とした。④指定信用情報機関を利用した支払い能力調査の義務付け及び消費者の支払い能力を超える与信契約の締結を禁止。
(d)①返品の可否・条件を広告未表示の場合は、8日間、送料消費者負担での返品(契約解除)を可能とした。②消費者があらかじめ承諾・請求しない限り、電子メール広告(所謂、迷惑メール)の送信を禁止。③カード番号不正提供・不正取得をした者等を刑事罰の対象とした等。その他、訪問販売協会による自主規制の強化を図ると共に、違反事業者に対する罰則の強化等が導入されました。
 尚、消費者と事業者の情報力・交渉力には格差があるので、消費者個人が泣き寝入りしないよう、消費者の利益擁護を図ることを目的に、改正消費者契約法に「消費者団体訴訟制度」※4)が導入(平成19年6月)されていますが、特定商取引法関係の改正に係る規定は、冒頭の同改正法の施行日に合わせて施行されます。
◆通信販売は、「クーリング・オフ」できない
 特定商取引法が適用される取引類型には、①訪問販売、②通信販売、③電話勧誘販売、④連鎖販売取引(マルチ商法)、⑤特定継続的役務提供※5)、⑥業務提供誘引販売取引が挙げられ、「クーリング・オフ」を認めています。但し、クーリング・オフの期間は、前記①・③・⑤においては8日間、前記④・⑥においては20日間で、②通信販売は、クーリング・オフはできませんので留意が必要です。
◆自衛策は、衝動的な購入をしないこと
 実際、高齢者における個品割賦購入斡旋契約のトラブルを防止するために、業界独自の「ガイドライン」※6)が設けられています。具体的な商品について内容を見ると、例えば、①「寝具(ふとん)」は同居家族人数までの数量を限度とする、現在流行の②「健康機器関連」は1世帯に同一商品1台を上限とする、また、③「浄水器」は1世帯に1台を上限とする等々が定められています。「消費は美徳」の時代はすでに遠い過去となった現在、改めて消費者の立場から考えると、騙されるのは何も高齢者とは限らない今日ですので、消費者個々人が、衝動的な購入契約をしないように努めることが第一の自衛策と言えるのではないでしょうか。
※2)両改正法は、別途政令にて公布日より1年6ヶ月以内に施行される予定。
※3)えきむ:サービスを意味する。
※4)適格消費者団体に事業者の不当な行為に対し、契約取り消しや販売差止請求権を認めるもの。
※5)エステ、語学教室、パソコン教室、家庭教師、学習塾、結婚相手紹介サービス。
※6)「特定商取引法に規定する販売業種に係る商品(業種)別取扱いガイドライン(平成19年3月)」社団法人全国信販協会資料。
参考:※1)「特定商取引に関する法律及び割賦販売法の一部を改正する法律案(平成20年3月7日閣議決定)」経済産業省公表資料。「消費者の窓」内閣府国民生活局公表資料。「消費生活安心ガイド」公表資料。