「東京都下水道局ワッペン再作成問題」について

◆ワッペン再作成に「公費約3,400万円」を追加投入
 東京都下水道局の職員制服2万着新調に伴う「ワッペン作り直し」の件が、「社説(4/11日付:読売新聞)」になりました。各メディア報道で一斉に非難を浴びたのは、「東京都下水道局」のロゴ入りワッペンのデザインが都の内部規定に違反していることに基づき、新たに公費約3,400万円を費やして作成し直したことに因ります。
◆問われる「内規」の存在意義
 この問題について、読売社説は《問題意識がずれている。まず責任を問うべきは、内規を杓子定規に守るために巨額の公費を使って作り直すよう命じた者だ》という論調です。そして、東京都知事は《「バカじゃねえか。役人の悪い意味での律儀さは世間では通じない」と述べ(4/10)、作り直しに関係した職員の処分を検討することを明らかにした(日経新聞)》とあります。新たに多額の公費支出は、まさに《税金の無駄遣いの極み(冒頭「読売社説」。以下同じ。)》であり、否定するものではありません。また、当該ワッペンの作り直し完了後にあっては、《都のマニュアルは「あくまで基本を示すもので例外もありえる」と記して》おり、《誤字や意匠権の問題》も無いようなので、であるならば、都知事の前言どおり「悪い意味での律儀さ」と言えます。そして、TVニュース報道は「税金のムダ遣いで勿体無い」という路線で、ご丁寧に「従前ワッペン」と「内規違反ワッペン」のデザインについて街頭アンケート調査結果まで披露していました。
◆「2度の失態」は“ありえへん世界”
 東京都の「台所事情」の如何を問わず、これが民間企業なら論ずるまでもなく、某民放TV番組名のとおり、まさに“ありえへん世界”です。事後になって慌てているようでは、実際に十分な内部検討がなされたとは考えられず、特定の都職員の一存で決定されてしまうようでは「内規」の存在意義は皆無と言うしかありません。要するに、事後対応のみならず、ワッペン新調時と作り直し時の「2度の失態」を招いたという事実が厳然と存在するのは明らかです。
◆「根本的な問題」は何だったのか
 例えば、過日ニュース報道された「ネットカフェ及び無届け老人ホームの火災事件」然りで、主管の役所はこれまできちんと指導していたとか、入検の矢先だった等と主張するもすべて後手に廻っており、言い訳にしか聞こえません。これまでも幾度となく同様の事件が発生し、その後あらためて厳しく指導・検査等に臨むという姿勢の繰り返しでは、平生往生と言うほかありません。前記の火災事件に限らず、近年の食品偽装をはじめとする事件すべてに共通する問題点です。役所は根本的に重要なことをなおざりにし、当事者はそれを御座なりにしてきたと言っても過言ではありません。 
 冒頭の「ワッペン再作成問題」で、担当責任者等は結果的に両成敗(ワッペン新調時の部課長は訓告処分済)となるようですが、再作成後のワッペンデザインの方がベターだとか、公費の再投入はムダであるとか等の事後対処を問う以前に、「ワッペンを新調するという当初の段階で、都局内の検討がきちんと実施されていなかったことが問題だ」と言いたいのです。十分な事前打ち合わせがなされていれば、「内規」との適否も、また「内規」自体の適否等もその時点で検討できる筈です。こうした所謂「お役所体質」のままでは、同様の問題発生はいつまでも無くならないと懸念します。岡目八目の私見ですが、さて、賢明な当ブログ読者の皆様はどのように受け止められたのでしょうか。
参考:読売・日本経済両紙。