厚労省は“後追い”でなく「サキヨミ」を!

◆第5回の公表を迎える「厚労省調査結果」
 世界同時不況の直撃後から、厚生労働省(職業安定局)によって今後の見通しを含めた「非正規労働者削減人数(08年10月~09年3月)」※1)が定期公表されており、3月下旬までには第5回の結果が判明するところです。
◆“後追い数値”を非難する事由
 これまでの厚労省調査結果については、当ブログ記事で何度も取り上げてきましたが、なぜ“後追い調査結果数値”に止どめているのかが理解に苦しむ点です。何も詳細な経済予測等を期待するものではなく、メディアを通じて何度も全国企業の人員削減計画が発表されているのですから、もう少し現実に即した状況把握ができないものでしょうか。
 と言うのは、第一に、厚労省が昨年の調査段階から「3月見通し」も含めているとの趣旨と解釈していますが、であるならば、調査結果数値はもっと大きな数値になるものと目します。第二に、当該削減人数を過少数値で捉えるのは、「雇用対策」を大きく左右することに繋がるのを懸念するからです。未曾有の結果が出てから慌てていては、対応が遅くなるだけです。民間業界団体(加盟120社)※2)がヒアリング結果に基づいて「約40万人と推計」したにもかかわらず、です。当社は非正規労働者失業者数について、依然として、企業減産態勢で約50万人、派遣労働者及び請負が約10万人、「09年問題」で約10万人と、少なくとも合計で「約70万人に及ぶものと予測」しています。これは、主に大手はじめ中小規模に至る全国の派遣会社等の雇用動向を把握・集約した予測数値です。
◆「抵触日」到来は今秋まで続く!
 実態との乖離について、日銀名古屋支店長(前任支店長)は、離任時の記者会見(3/4)で次のように述べられました。即ち、《激動の時期をこの目で見た。データばかり見てきたが昨年秋の金融危機以降、データと現実との違いが大きく初めてもどかしさを感じた》と。また、国際労働機関(ILO)は、世界の主要金融機関の人員削減数合計は約32万5,000人との計画を公表しました。いま“100年に一度”と言われる世界同時不況の渦中、迫り来る未曾有の非正規労働者削減人数について、厚労相は“その実態との乖離”についてどのように考えておられるのでしょうか。今春から今秋にかけて到来する非正規労働者の「抵触日」は、避けて通れないことだけは断言できます。「厚生労働大臣のお考えを開示していただけませんか」という素朴な質問は、果たして国民の代弁になっていないのでしょうか。
※2)日本生産技能労務協会(技能協)及び日本製造アウトソーシング協会(JMOA)が「自民党労働者派遣問題研究会(座長:長勢甚遠元法相)」で発表(1/27)。
参考:※1)直近データ:「非正規労働者の雇止め等の状況について(2月報告:速報2/18時点)」平成21年2月27日付厚生労働省職業安定局公表資料。日本経済新聞記事。