首相と厚労相の発言から

◆“焦って”いるのは国民
 今週夕刻のニュース報道番組に麻生首相が「ナマ」出演し、ニュースキャスターの「今一番欲しいものは何ですか」という問いに対し、「国家の誇り」と色紙に毛筆で記されました。冗談でも“国民の支持”とは書けないだろう、とTVの前で苦笑いしてしまいました。報道各社の世論調査のたびに、内閣支持率が低下していく現実に対し、首相官邸で麻生首相は「支持率が下がるのは私の責任。真摯に受け止める。世の中は景気対策が最大の関心事。これを確実に実行するのが政府にとって焦眉の急だ」※と記者会見しました。今回も「焦眉(しょうび)」を「シュウビ」と誤読されたようで、国民に漢字読み取り学習までご配慮いただいたものと邪推しますが、誤読されたご本人は“焦って眉”を顰(ひそ)めることもなかったようです。「第2次補正予算案及び関連法案」は衆議院採決(1/13)を通過し、現状の所謂「ねじれ国会」では当該法案の自然成立を待つところでしたが、参議院予算委員会での審議入り(1/19)が合意され(野党の反対で否決の見通しですが)、成立日程は当初より少し早くなるかもしれません。いずれにしても、非正規労働失業者に対する雇用対策の実施を“急”いでいただきたいものです。
◆大臣の「個人的発言」は慎重に
 何も「大臣イジメ」するつもりは毛頭なく、ひたすら中庸を進んでいるつもりですが、当ブログ記事(1/6日付)「厚生労働大臣の発言こそ如何なものか???」でご紹介のとおり、厚労大臣は「個人的には」と断った上とはいえ、その影響は決して小さくありません。と言うのも「製造業派遣の禁止」という大臣発言が一人歩きしてしまった為、国民は即、法改正規制強化と受け止めてしまうからです。この点について、閣議後の「大臣ぶら下がり記者会見(1/13)概要」で確認すると、厚労大臣は、《私が考えているのは「では請負はどうするのですか、派遣はどうするのですか、普通のパートはどうするのですか。」こういう中で働き方を一度考え直してみたらどうかなと。》と会見しました。つまり、《ちょうど良い機会なので、派遣だけではなくて、請負の問題、その他の働き方の問題をよく議論できると思います》と述べており、麻生首相も現在のところ、製造派遣を即全面禁止とは考えていない模様ですから、今後の労働者派遣法改正案の見直し議論に委ねられるものと思います。
※「焦眉の急」:「焦眉」とは「(火が眉を焦がすほどに迫る意)危急が迫ること。燃眉。」で、「切迫した危難または急務」。(出所:『広辞苑』)。
参考:厚生労働省公表資料。メディア報道。