五輪涙のカタルシス

◆オリンピック閉幕
 17日間にわたる「北京オリンピック」は、テロの襲撃を受けることなく無事閉幕しました。各競技の熱戦をTV観戦しているうちに、お盆休みも終わってしまいましたが、幸い日本との時差が少ない北京での開催でしたから、徹夜でTV放送を見ることなく済んだのは助かりました。オリンピックについては、種々の切り口から論じられますが、日本チームと選手に限定して述べたいと思います。 
◆対米戦のため「魔球」を温存
 日本が金メダルを獲得したソフトボール選手の陰の努力には心打たれました。勿論、この情報は、TV局のニュース報道によるものですが、日本チームが宿敵米国に何としても勝つため、①4年前から米国チームのエース投手の投球ホームをVTR分析し、各選手がバッターボックスで、投手の投球モーションから球種を確実に見極める作戦を採っていたのです。また、②わが日本チームのエース上野由岐子投手は、「シークレット・シュート」を温存し、米国との決勝戦で初めて投球し、みごと悲願の優勝を勝ち取ったという経緯です。試合終了直後のグランドで、選手全員が歓喜の涙を流し、スタンドの応援ファンに手を振って感謝の意を表していました。オリンピック直前に再負傷し、残念ながら欠場となった女子選手もスタンドに臨む中、同欠場選手のユニフォームだけを全員で胴上げしていたのが大変印象的でした。
◆韓国の必勝態勢
 それに引き換え、野球の日本代表チームは、全員プロ野球選手で揃えたにもかかわらず、基本的な守備ミスが目立った他、精神面でも韓国に完敗しており、最後までお粗末な戦い振りで、メダル獲得を逸しました。「敗軍の将、兵を語らず」に反し、帰国後の監督のTV報道のひと言一言は、全く言い訳にしか聞こえませんでした。このオリンピックに備え、平常から国際球の使用に慣れさせ、ピッチャーズマウンドも国際規格に合わせる等、緻密な練習を積み重ねてきた韓国チームの「戦う構えと闘志」とは、比較の余地もありませんでした。
◆マスコミ報道の影響力
 開催前に人気を集めたバドミントンの「オグシオ(小椋・潮田)」ペアが敗戦した後、初めて「スエマエ(末綱・前田)」ペアを知ったという私の凡人ぶりもさることながら、選手情報についてマスコミ報道にかなりの影響を受けているものだと、今さらながら、つくづく感じたのは私だけだったでしょうか。同様のことは、メダルを獲得して一層脚光を浴びた「女子レスリング」選手のことは、皆さんご承知と思いますが、では、各々銀・銅メダルを獲得した「レスリング男子フリー」選手の映像と名前(松永・湯元両選手)は、果たしてどれだけの人の記憶に残っているでしょうか。
◆あなたの感動は
 競泳の①男子100m平泳ぎで「世界新」、②200m平泳ぎで「五輪新」の記録を出し、金メダル2冠の北島選手はじめ、その他の競技で健闘した各選手の並々ならぬ努力には頭が下がりますが、個人的には、競泳男子400mメドレーリレーで銅メダル(日本新)を獲得したアンカー佐藤選手の感涙を忘れられません。多くの感動を与えてくれたオリンピック選手に感謝すると共に、改めて、我々の日常生活においても、今後「サスティナブル(持続可能な)自己への挑戦」が望まれるという思いを抱かせてくれた8月でした。