若者の自立に期待する

◆若者の就業率向上のため
 国の雇用対策※1)の一環で、「若者の自立の実現」※2)に向けた目標が提示されていますが、すでに当ブログ記事(6/3日付)でご紹介のとおり、主な点は、①フリーター数を2010年までに170万人に減少させ(181万人:2007年度)、②若者(25歳~34歳)男性の就業率を、同年に92~93%(91.0%:2007年度)まで上げることを目標としています。
◆当面目標は、フリーター実数11万人減
 前掲のフリーター数は、所謂「ニート」を含む数値で、実数で11万人を減少させることと、この3年間で100万人の正規雇用化実現を目指しています。因みに、25歳~34歳という指定年齢層は、就職氷河期に正社員になれなかった「年長フリーター」を指しており、同層及び30代後半の不安定就労者を重点に就職支援を集中的に実施するという方針です。その他の要点としては、③今年度創設の「ジョブ・カード制度」※3)の活用、④地域若者サポートステーションによるニート等の進路決定者割合の向上(2010年度:30%)があります。
◆「若者自立塾」は3年前から
 この「新雇用戦略」※2)は、2010年までの3年間を集中重点にしていますが、若者の自立支援は、「若者自立塾創出推進事業」という形で、すでに3年前から実施されています。3年前の2005年は人口減少に転じた節目で、若者のフリーター化を放置すれば、2030年の人口減少社会到来と相俟って、生産年齢人口も減少していくという懸念が存在していたからと考えられます。
 そもそも、「若者自立塾」は、働く自信をなくした若者に対して、「合宿形式による集団生活の中で生活訓練、労働体験等を通じて、社会人、職業人として必要な基本的能力の獲得、勤労観の醸成を図るとともに、働くことについての自信と意欲を付与する」ことにより、就労等へと導くための事業(当年度予算額6億円)です。塾実施者は民間事業者及びNPO等で、今年度は全国30ヵ所(8/18現在)で実施(一ヵ所を除き、原則3ヶ月間)されています。因みに、事業開始からの塾修了者累計数は1,592名(2008年5月末)、修了者(2007年11月まで)の6ヶ月経過後の就労率は63.3%で、今年度からは、専用コールセンター「若者自立電話相談室」※4)が開設されました。
◆「生きる意欲」がすべて
 官民連携して若者の雇用促進が図られていますが、ワーキングプアが社会問題化した今日、フリーター予備軍は流動的に潜在していると考えられますので、単にフリーター数の増減に一喜一憂することなく、雇用環境の整備が肝要です。反面、若者は「ホームレス(住居喪失不安定就労者)」より年齢が若く、健康・体力面では彼等を凌いでいる訳ですから、いたずらに厭世観を抱き、究極的に社会に対する甘えの姿勢は矯正して欲しいと願うばかりです。少子社会において若者の経済的自立が望まれている中、職業能力等が問われる以前に、まずは、フリーター個々人の「働く意欲」がすべてを左右すると考えるのは、即ち、それが若者自身の「生きる意欲」そのものだと確信しているからです。
※3)当ブログ記事「『ジョブ・カード制度』計画について」ご参照。
※4)フリーダイヤル:0120-340-605.(財)社会経済生産性本部若者自立塾支援センター。
参考:※1)「雇用政策基本方針(平成20年2月29日厚生労働省告示第40号)」。※2)「『新雇用戦略』について(舛添臨時議員提出資料)平成20年4月23日」平成20年5月9日付第8回社会保障審議会少子化対策特別部会資料4。2008年8月18日付厚生労働省職業能力開発局公表資料。