「介護の日」制定に考える

◆「介護の日」は今年から
 先月下旬に、「11月11日を介護の日」に制定すると、厚生労働大臣より発表されました。これは、介護についての理解や認識を深め、介護従事者や利用者、家族らを支援する狙いから制定されました。制定にあたっては、新しく制定される日の名称や根拠について広く一般からの意見が募集され、実は、私も460件の応募者の一人で、「11月11日」を指名したという経緯です。
◆課題は人材確保
 この度、「介護労働者の確保・定着等に関する研究会(座長:大橋勇雄中央大学大学院戦略経営研究科教授)」により、中間結果が取りまとめられました。それは、「高齢者をはじめ国民が安心して暮らすことができる社会の実現のために、労働環境や処遇の在り方を含めた総合的な人材確保対策が最重要課題となっている」としています。即ち、少子高齢社化が進展する中で、介護サービスのニーズは増大していますが、介護労働者の人材確保(とくに、非社員等の人手不足が深刻)は困難であるという現実に直面しており、その結果、介護福祉士等の養成施設において、定員割れが生じる等の課題が生じているのです。
◆主な離職理由は
 その具体的問題として、①医療分野の他の専門職や他産業と比較して賃金が低い、②キャリアアップが困難、③正社員への負担が大きく長時間労働が原因で離職率が高い、④待遇や人間関係等に不満を感じる、研修・教育体制の整備不備、夜勤での人員配置過小による負担、重労働による腰痛等が挙げられ、主な離職理由となっています。
◆解決策はこれから
 また、当「中間結果」は、今後の対策の方向性について、①「基本的な考え方」及び②「介護報酬の考え方」を提示していますが、前者は、質の高い人材を安定的に確保及び定着・育成させるための仕組みの構築が重要であり、また、後者は、今後の介護報酬の改定に際しては検討がなされることを望みたいとされているに留まり、まだ具体的な解決策は示されていません。
◆今後の医療・介護態勢をどうするか
 当ブログ記事(8/5)でご紹介のとおり、わが国が初めて「EPA」に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れを実施(8/7来日)したのも、医療・介護分野における人材確保を補填するための政策ですが、受入者数は2年計画の初年度目標の半分にも達しないという現状です。このままでは、外国人就労候補者による補填も難しいのではないかと懸念されます。
 過去に、都内で介護老人保健施設を併設した小学校を見学したことがありますが、核家族の為、日常生活で高齢者と接する機会の少なくなった子供達に一つの機会を与え、小学生と高齢者との交流が一過性のものでなく存在していました。今後、わが国の医療・介護分野における態勢をどのように構築していくのか、外国人就労問題のみならず、新たな「介護の日」制定が、次世代を担う子供達にどのように受け継がせていくのか等も踏まえ、議論される一つの機会になることを期待します。
参考:「『介護労働者の確保・定着等に関する研究会 中間取りまとめ』について(平成20年7月29日)」厚生労働省職業安定局公表資料。47NEWS。