長期優良住宅 住宅耐震実験による検証で「安心・安全の確保」を

◆“阪神・淡路大震災”から早15年

 死者6,434人(総務省消防庁調べ)を出した「阪神・淡路大震災(M(マグニチュード):7.3。1995年)」の発生から、この1月17日で早15年が経ちました。奇しくもこの節目に、中南米の最貧国「ハイチ(首都:ポルトープランス)」は、「M:7.0」の大地震(1/13:日本時間)に見舞われました。日本は本日「大寒」ですが「ハイチ」は日中の気温が30度超で、わが国と気候環境は大きく異なりますが、“対岸の火事”と傍観していられない非情な壊滅状態で、5万~20万人と推測される人々の安否が心配されます。

◆耐震実験で倒壊した「長期優良住宅」

 閑話休題、そこで昨年に遡及して恐縮ですが、“耐震”に関する話題をご紹介します。それは、独立行政法人防災化学技術研究所(兵庫耐震工学研究センター:兵庫県三木市)※1)が実施した「耐震実験結果(09/10/27)」についてです。大型震動台「E-Defense(E-ディフェンス):20m×15m」を使用し、震度6強の揺れに耐えられると考えられた「長期優良住宅:耐震等級2(3階建て木造住宅)」※2)を人工地震波で約20秒間揺らすという耐震実験だったのですが、予想に反し、柱の接合部のみを弱くした同等級を満たさない「別の1棟」は完全倒壊せず、《「長期優良住宅」の基準を満たす住宅が倒壊》してしまったというショックな実験結果が明らかにされたのです。

◆究極の検証手段「E-ディフェンス」

 “地震大国”と言われる木造建築物の多いわが国においては、これまで幾度かの大震災を経て、「住宅の安心・安全確保」は国民の最大関心事ですが、「阪神・淡路大震災」による建物倒壊及び火災等の大被害でより一層その思いは強大になったのではないでしょうか。そこで、これまでの《構造物の耐震性の評価方法を見直す必要が認識され、構造物の破壊過程を調べることが重要》であるとの観点から、冒頭に紹介した「E-ディフェンス」が開発されたのです。
 因みに、この「E-ディフェンス」は愛称で、正式名は「実大三次元震動破壊実験施設」です。その名のとおり、《実物大規模(戸建2棟分)の構造物を破壊させるために必要な性能を有して》おり、《「大地震から構造物被害軽減に如何に貢献するか」を目指》している当該研究センターは、《E-ディフェンスにおける実験以外に、実物と同じ大きさの構造物が壊れていく過程を調べる方法は、実質的にない》とし、「究極の検証」手段と表明しており、まさに世界に誇れる施設と思います。

◆今後の「住宅の安心・安全確保」の検証に期待

 この実験で使用された住宅の「耐震等級2」は、建築基準法の1.25倍に耐える強さということですので、我々国民はその耐震性を信頼するほかありません。近年発生する地震は、従前より震度が大きい傾向があるのではとの素人判断をしていますが、木造建築住宅は3~4階建ての高層も増加しています。さらに広く語れば、地球温暖化防止のために“脱炭素社会”の構築を目指している現代では、太陽光発電等々を備えた「長期優良住宅」の需要が喚起されているだけに、前掲の「E-ディフェンス」による更なる「住宅耐震実験」で、一刻も早く「住宅の安心・安全」を確保できることを期待するばかりです。
※1)「防災科研」本所:茨城県つくば市。業務の重点は、①地震災害の軽減に資するための総合的な研究開発、及び②火山・気象・土砂災害等の防災上の社会的・政策的課題に関する総合的な研究開発。
※2)長期優良住宅:「長期優良住宅普及促進法(2009年施行)」で定められている。「認定基準」の項目(順不同)は、次のとおり。(a)劣化対策、(b)耐震性、(c)維持管理・更新の容易性、(d)可変性、(e)バリアフリー性、(f)省エネルギー性、(g)居住環境、(h)住戸面積、(i)維持保全計画。具体的な内容は、「長期使用構造等とするための措置及び維持保全の方法の基準(平成21年国土交通省告示第209号)」をご参照ください。
参考:独立行政法人防災化学技術研究所公表資料。国土交通省住宅局公表資料。日本経済新聞記事。