「法人企業景気予測調査」結果より

◆大企業製造業は7~9月に「上昇」超の見通し
 「法人企業景気予測調査(調査時点:09/5/25)」※1)結果が公表(6/22日付)されました。当該調査結果によると、大企業製造業の4~6月期の「景況判断指数」※2)は「▲13.2」(▲はマイナスの%ポイントを表す。以下同じ)で、前回調査1~3月期の「▲66.0」から大幅改善しており、当該数値は大・中堅・中小企業の製造業がいずれも「下降」超の中での最小値になっています。とくに、大企業製造業の7~9月期は、前回調査時の見通し「▲4.7」から「+4.8」へと唯一好転の見通しで、10~12月期の見通しは「+17.3」と明るい兆候となっています。
◆雇用好転は「大・中堅企業の非製造業(12月末見通し)」のみ
 一方、大企業製造業における雇用面の「従業員数判断BSI」※2)を見ると、6月末は「▲25.1」で、中堅企業製造業(▲28.3)、中小企業製造業(▲26.9)と大差ありません。とりわけ6月末の現状判断で最小値なのは大企業非製造業の「▲4.0」で、9月末及び12月末の見通しはそれぞれ「▲1.9」、「+2.0」で回復傾向となっています。そして、この大企業非製造業の12月末見通しの「2.0」を超えてプラスに転じるのは、中堅企業非製造業「+2.1」のみです。
◆大企業の「上昇」は10~12月期の見通し
 「国内の景況判断」でこの4~6月期の現状判断は、大・中堅・中小企業すべてにおいて「下降」超となっていますが、今後は、大企業全産業が10~12月期に「上昇」超(6.5)に転じる見通しです。しかしながら、中堅企業及び中小企業の全産業は同月期でそれぞれ「▲1.6」、「▲19.1」といずれも「下降」超の見通しとなっており、わが国内景況の実質的回復は当年以降になるものと予測します。
◆全産業の雇用面は「過剰気味」超で推移
 景況予測には種々の経済指標から総合的な判断を求められますが、前掲調査結果の雇用面の年内見通し(12月末)を大・中堅・中小企業全産業で見ると、いずれも「過剰気味」超で推移するものとなっています。とりわけ大企業が減産緩和から量産体制にシフトする中、昨秋勃発した世界同時不況以降、注視されてきた「非正規労働者の削減状況」については、厚生労働省がその実態調査結果※3)を定期公表しており、直近データでは全国で「21万6,408人」となっています。この削減人数は、残念ながら、当ブログ記事※4)で「社員寮の貸与を受けている人員の約25万人程度が住居と共に職も失う」と予測したとおりのものとなってしまいました。
◆非正規労働者削減は収束か
 「非正規労働者削減状況」は昨年末以降急増した所謂“派遣切り(非正規切り)”の実態で、当該調査の当初値と比較すると、当初増加率:182.7%(08/11/25~12/19)は直近増加率:30.1%(09/4/17~5/19)にまで減少し、その増加率比は16.5と2割を切るまでになりました。因みに、日比谷公園で開村した「年越し派遣村(実行委員会)」による派遣労働者への支援活動は、今月28日で終了・解散したところです。今後は、国内全産業がこの経済不況からいち早く脱却する為、「派遣」から「請負化」へシフトしてコスト競争となりますが、非正規失業労働者は“新たな雇用を創出”する企業と共に生き残りを図っていくことが希求されます。
※2)BSI(Business Survey Index)=景況判断指数:(「上昇」と回答した企業の構成比)-(「下降」と回答した企業の構成比)。従業員数判断:(「不足気味」-「過剰気味」社数構成比)。
※4)当ブログ記事(09/2/2日付):「世界同時不況に飲み込まれた人材ビジネス業界~非正規労働失業者は約100万人超へ~」ご参照。
参考:※1)『第21回法人企業景気予測調査(平成21年4-6月期調査)について』:平成21年6月22日付内閣府・財務省報道発表資料。※3)『非正規労働者の雇止め等の状況について(各月速報)』厚生労働省職業安定局公表資料。