迷走を続ける「定額給付金」支給の行方は

◆長期滞在する「ネットカフェ難民」
 この度の世界同時不況で「派遣切り」に遭遇し、突然かつ同時に住居と職を失った大量の非正規労働失業者は自分の寝る場所確保のため、昨年末発足した「年越し派遣村」が開村されるまでは、一時的に「インターネットカフェ」に殺到しました。昨年の時点ですでに「住民票」の申請手続きに対応している「ネットカフェ」がメディアで紹介され、ネットカフェ長期滞在者は順次仕事を見つけて独立して行くと報道されました。つまり、新たな仕事に就くには住所が必要となる為、非正規労働失業者が当該店に長期間滞在している事実に基づき、経営者側が「住民票」申請手続きの後方支援をしてくれたという経緯です。
◆「ネットカフェ住民登録者」にも定額給付金支給
 「ネットカフェ」の経営者は、このような世界金融不況直撃で来店客が急増したのは想定外であったと推測しますが、営業店としては常時満室が続き嬉しい誤算かもしれません。現在、参院予算委員会では「08年度第2次補正予算案」の審議がなされ、ネットカフェ難民への定額給付金支給をどう対応するのかという野党の質問に対し、総務相は「(ネットカフェ側と)長期契約をして、客観的状況と意思で居住をしていると認められるなら、住民登録をして給付金を支給したい」と前向きな答弁を表明(1/21)しました。
◆「定額給付金支給」に拘る首相
 実際、総額2兆円に上る定額給付金の財源は、「財政投融資特別会計金利変動準備金(4兆1,580億円)」から捻出されるものですから、その財源を取り崩す法律が成立しなければ確保できません。当ブログ記事(①08/12/15・②09/1/5日付)※1)では「定額給付金支給中止」を提言しましたが、麻生首相は参議院予算院会の答弁で頑なに拒んでいるため、現状では「定額給付金支給中止」は困難と推察します。首相発言により、定額給付金は「生活対策(家計緊急支援対策)」から「景気対策」へと進化?(変身)してきたという迷走振りですが、所謂「ねじれ国会」のため年度内支給の目途も未確定で、支給時期は当初からすると大幅遅延して未だ不透明と言わざるを得ません。当初は「(昨)年内支給に意義がある」と拘り、サンタクロースの贈物のつもりだったのかも知れませんが、残念ながら、年越した今となっては、国民の立場からするとその論議も白けるばかりです。
※1)①「続・『252(要救助者:非正規労働者)』救済を急げ!」及び②「非正規労働者雇用の問題点と提言」ブログ記事ご参照。
参考:「生活防衛のための緊急対策(平成20年12月12日付:内閣総理大臣記者会見)」。
【追伸】当ブログ記事掲載後、「08年度第二次補正予算案」の参議院審議については、民主党が、与党の衆議院での「09年度予算案」の並行審議に踏み切った場合の影響を懸念し、一転して参議院採決容認を決定して成立する運びと情勢が大きく変わったことを追伸申し上げます。尚、給付金財源の根拠となる「予算関連法案」の参議院採決に関しては、今後の与野党の駆け引きに拠ります。以上。