非正規労働失業者の実態について

◆「住居期限」に追われる非正規労働失業者
 昨年末発足した「年越し派遣村」の登録村民約500人(非正規労働失業者)は、①「日比谷公園(東京)のテント生活」から、同村長による厚労省への陳情で、急遽、年始は②「厚生労働省講堂」へ移り、文字どおり年越すことができました。年明け1月5日には③「東京都の4施設」へ移動し、期限切れの12日には④「日本青年館」に1泊(約170人)、その後は⑤「都内の3旅館」で生活することになりましたが、その期限も今週末16日と迫っています。まさに、やむなく「週替わり住居」に追われる身で、非正規労働失業者にとっては死活問題です。とにかく、当面の住居と職をまず確保することが先決ですので、メディア報道で「派遣社員だけは避けたい」等と非正規労働失業者の本音も散見しますが、今は個人的希望を主張している場合でない窮状と思います。同村民約500人のうち280人が生活保護を申請したとのことですが、まだ住居も仕事も決まっていない多くの村民がいますので、職務を問わず、できれば身近で「住み込みで働ける仕事」を早く見つけられることを祈るばかりです。
◆沖縄県からの出稼ぎ先は「愛知県」が断トツ
 非正規労働失業者は東京だけの話ではありません。何とか上京して「年越し派遣村」へ入村した人は運が良かったといえるかもしれませんが、当ブログ記事(08/12/26)「北海道や沖縄からの出稼ぎ労働者の救済を」でご紹介のとおり、地方都市の非正規労働失業者の存在を忘れる訳にはいきません。厚生労働省実態調査(第2回:08/12/19時点)によれば、非正規労働者削減人数(8万5,012人)の都道府県別上位は、製造業が集積している①「愛知県」がトップで、②「長野県」、③「福島県」、④「静岡県」、⑤「栃木県」と続き、この上位5県で全体の約3割(占率29.3%)を占めると公表されています。沖縄労働局調査では、沖縄県から①愛知県への出稼ぎは約6割(59.9%)を占めており、②東京都(5.1%)、③神奈川県(2.5%)、④大阪府(2.1%)、⑤静岡県(1.5%)と続きますが、自動車関連企業が多く集積する愛知県は突出しています。今回の大量「派遣切り」に対応し、地元自治体で非正規労働失業者の採用が実施されていますが、沖縄県に帰郷できず愛知県に留まっている失業者は多数存在していると推測します。
◆地方自治体の「臨時採用」は2ヵ月間
 実際、非正規労働失業者に対応する名古屋市の「緊急雇用対策(臨時的任用職員募集)」をみると、対象者は、企業の雇用調整等による解雇や継続雇用の中止により離職した方等の市内に住所を有する人で、募集人員は150人です。主な業務内容は一般事務補助や清掃作業等で、雇用期間は3月末までの2ヵ月間です。面接による選考で、賃金は時給785円(日給換算5,888円。休憩45分)、通勤手当(通勤1回につき460円限度支給)有り。受付は15日までの実質3日間が勝負なので急がなければなりません。因みに、初日受付は24名でした。こうした緊急雇用対策の採用人数は各自治体によって異なり、民間企業のように「住み込み」とはいきませんが、当面2ヶ月間の就労は確保できる機会が与えられています。今通常国会では、「第2次補正予算案及び関連法案」が衆議院で採決(1/13)されたところですが、「派遣切り」に遭遇した非正規労働失業者は、実際に所持金が皆無に等しい人が多く存在しているため、首尾よく就職できても日々の生活費に困窮するのも否めない事実と心配します。今後政府には、中・長期展望に基づいた雇用対策と労働者派遣法の見直しに望みを託したいと思います。
参考:厚生労働省公表資料。名古屋市市民経済局公表資料。新聞各紙記事。