所謂「メタボ健診」による生活習慣病予防指導について

◆動脈硬化に要注意
 誰も自分の寿命を確定できませんが、長生きできるのなら健康でありたいと願うのは、誰にも共通したものと思います。しかし、自己の健康管理を疎かにした生活を重ねると、気づかない間に健康は蝕まれていきます。とくに、日本人の三大死因である「癌、心臓病、脳卒中」のうち、心臓病と脳卒中は動脈硬化を要因とした病気で、「メタボリックシンドローム」をベースに病気が重なると動脈硬化を進行させ、心臓病や脳卒中の罹患に繋がると言われています。
◆所謂「メタボ健診」が開始された
 今年度から義務化された所謂「メタボ健診」は周知と思いますが、老人保健法(昭和57年8月17日法律第80号)に代わり、2008年4月から施行された高齢者医療確保法(高齢者の医療の確保に関する法律)に基づいて開始された「特定健康診査※1)及び特定保健指導」のことです。特定健康診査は、「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」※2)に着目した健診で、特定保健指導は、その特定健康診査の結果に基づき、リスクの程度に応じて生活習慣を見直すサポート(①動機付け支援、②積極的支援)をしてくれるという内容です。
◆生活習慣病に対する予防指導
 マスコミ報道等でご承知のとおり、独立行政法人労働者健康福祉機構の調査結果※3)によると、昨年度に「生活習慣病予防指導(保健・生活・栄養・運動の4指導)」の個別指導を受けた人は6万9,418人(前年度比17.2%増)に上り、受診の急増は、前掲の「メタボリックシンドロームへの関心が高まったことが背景」と分析されています。当該個別指導の内訳(占率・対前年比率)は、①生活指導(28.7%・38.0%)、②運動指導(26.3%・3.3%)、③保険指導(25.7%・17.1%)、④栄養指導(19.3%・12.9%)の順に多く、医師や保健師が喫煙・飲酒等の習慣や不規則な生活について指導を実施する「生活指導」の増加が顕著です。そこで、被生活指導者の年齢別内訳をみると、絶対人数の上位3は、①50歳代、②40歳代、③30歳代の順で被指導人数が多く、対前年比率順では、①60歳代、②70歳代以上、③40歳代と高齢者の伸びが著しく、改めてメタボに対する中高年の関心が高いのがわかります。さらに、生活習慣病予防指導の個別指導を受けた人(複数回被指導含む)が有している所見をみると、絶対人数は、①高脂血症:22,803人、②肥満:17,471人、③高血圧:14,718人の順に多く、対前年比率では、①高血圧:119.0%、②高血糖:114.9%、③肥満:112.4%となっています。
◆「健康も自己責任」の時代
 メタボリックシンドロームに該当する人は、予備群を含めて約1,960万人と推計(平成16年国民健康・栄養調査)されており、男女共40歳以上、とくに中高年の男性で高くなっているという結果です。最近はメタボタレントがTV画面を賑わしていますが、メタボ該当者数の多さに決して安心しないでください。近年は予防医学に比重が置かれているようで、生活指導内容にある喫煙を控える指導に、タバコの値上げも一役貢献しているのかもしれません。こうして見ると、「メタボ」は中高年の専売特許のようですが、ファストフードで育った若者は、インスタント食品に包囲された生活の感もあり、偏食や運動不足・不規則な生活を送れば、メタボ予備群に変身するには時間を要しないと思います。少子高齢社会を生き抜くためには、何よりも健康に対するセルフコントロールが肝要に思います。まさに、「健康も自己責任」の時代になったといえるでしょう。
※1)実施年度において、40~74歳となる医療保険の加入者(毎年度4月1日現在で加入している者)が対象。費用は主に医療保険者が負担しますが、詳細は受診券に記載有り。
※2)診断基準(数値省略)は、「内臓脂肪の蓄積(腹囲:男性85cm以上、女性90cm以上)」に加え、①「血清脂質異常」、②「血圧高値」、③「高血糖」の内、2項目以上の該当者は有病者。1項目該当は予備群。
参考:厚生労働省公表資料。※3)独立行政法人「労働者健康福祉機構」医療事業部発表(平成20年8月26日付)資料。