今春施行される「改正労働基準法」の要点

◆4月1日施行予定

 皆様ご承知のとおり、「改正労働基準法」※1)は、今春4月1日に施行される予定です。当該改正法の施行年に臨み、ここで改めて厚生労働省資料に基づき、「改正労働基準法」の要点をご紹介致します。

◆“長時間労働の抑制”

 改正は労働基準法の一部で、要点は【1】「時間外労働の削減」、【2】「年次有給休暇の有効活用」の2点を柱としています。労働者の長時間労働を抑制し、健康確保やワーク・ライフ・バランスを図ることを目的としています。以下、その概要を列記しましたのでご確認ください。

【1】時間外労働の削減(改正法第37条第1項、第138条)

(a)「法定割増賃金率の引上げ」
  1ヶ月60時間を超える時間外労働について、「法定割増賃金率」を現行25%以上から「50%以上」に引上げられます。但し、引上げは「時間外労働」が対象のため、「休日労働(35%)」及び「深夜労働(25%)」の割増賃金率は変更ありません。また、中小企業※2)の割増賃金率については、施行から3年経過後に改めて検討することとされており、当面猶予されます。
(b)「代替休暇制度の創設」(改正法第37条第3項)
  事業場における労使協定の締結により、改正法による法定割増賃金率の引上げ分(25%)の割増賃金の支払いに代えて、有給休暇を付与することが可能になります。詳細は、改正法施行までに省令にて規定される予定です。但し、中小企業※2)の割増賃金率については、施行から3年経過後に改めて検討することとされており、当面猶予されます。
(c)「限度時間を超える時間外労働の労使による削減」
 特別条項付き時間外労働協定で、「限度基準告示(平成10年労働省告示第154号)」※3)上の限度時間(月45時間)を超える時間外労働に対する割増賃金率の「法定(25%以上)を超える率」を定める努力義務が規定されました。当該規定は企業規模に係らず適用されます。尚、「限度基準告示」は、改正法施行までに改正される予定です。

【2】年次有給休暇の有効活用

(a)「時間単位年休制度の創設」(改正法第39条第4項)
  事業場における労使協定の締結により、1年に5日分を限度として年次有給休暇を「時間単位」で取得することが可能になります。年次有給休暇を「日単位」あるいは「時間単位」のいずれで取得するかは、労働者の自由選択に委ねられます。従って、使用者がその選択を変更することはできません。但し、当該規定は、企業規模に係らず適用されます。また、1日分の年次有給休暇が何時間分のそれに相当するかの詳細については、改正法施行までに省令にて規定される予定です。
※1)「労働基準法の一部を改正する法律(平成20年法律第89号)」公布:平成20年12月12日。
※2)①資本金額(または出資総額):小売・サービス業(5,000万円以下)、卸売業(1億円以下)、それ以外(3億円以下)または、②常時使用労働者数:小売業(50人以下)、サービス・卸売業(100人以下)、それ以外(300以下)。事業場単位ではなく、法人格(法人または個人事業主)単位で判断する。但し、改正法施行後、中小事業主でなくなった時点から割増賃金率の引上げが適用となる。
※3)「労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長の限度等に関する基準」。
参考:厚生労働省公表資料。