有期労働契約の在り方に関する「中間取りまとめのポイント」について

◆昨年より研究・検討されている“有期労働契約の在り方”

 「労働者派遣法改正案」は今国会審議入り(4/16)したものの、厚労相による趣旨説明及び野党による質疑実施以降、当該審議は停滞しています。
 さて一方、同法改正案と並行し、厚生労働省は学識経験者の参集を求め、昨年2月より「有期労働契約研究会(座長: 鎌田耕一東洋大学法学部教授)」において“有期労働契約の在り方”に関し、政策の方向性が研究・検討されてきており、以下にその『中間取りまとめのポイント』※をご案内致します。

◆目的は“雇用の安定、公正な待遇等の確保”

 当該「中間取りまとめ」は、先ず「総論」として、《有期契約労働者は労使の多様なニーズにより増加、多様な集団に》なってきたが、《雇用の不安定さ、待遇等の格差、職業能力形成が不十分等の課題》を踏まえ、《雇用の安定、公正な待遇等を確保するため、有期労働契約のルールの在り方を検討し、方向性を示すことが課題》であるとしています。

◆「各論」課題について

 次に、「各論」ポイントは、(1)《契約締結時(入口)、更新・雇止め(出口)》、(2)《均衡待遇及び正社員への転換等》、(3)《その他の課題》の3点です。
 各論(1)については、わが国において、《有期労働契約の締結事由・目的は当事者の自由》であり、《雇用の中心たる長期雇用を補完》してきたという経緯を踏まえ、《その導入の合理性等について、議論を尽くす必要》があるとしています。即ち、①《締結事由の規制》の検討の必要性を考えるものと思われます。また、冒頭記載の課題のとおり、《雇用の安定や職業能力形成の促進等の観点から、更新回数や利用可能期間の上限の設定を検討》すると共に、《上限手前の雇止め誘発等(副作用)に留意》する等、②《更新回数・利用可能期間に係るルール》策定の検討です。そして、③《解雇権濫用法理の類推適用》として、《判例法理の法律によるルール化を検討》するものです。
 各論(2)については、《公正な待遇の実現》のための《均衡待遇》及び《労働者の雇用の安定、職業能力向上》すべく《正社員への転換等》を検討するものです。
 最後に、各論(3)については、《雇止め予告制度》や《1回の契約期間の上限(現行原則3年)と関連する暫定措置について》等の課題について検討するものです。
 これら事項について、「有期労働契約研究会」による検討進捗は当初予定より大幅遅延しているようですが、今後、最終取りまとめの後、労働政策審議会にて議論される予定で、来年法制化されるものと思われますので、派遣法改正の行方と共に今後の動向に刮目して行きましょう。

【ご参照】

※『中間取りまとめのポイント(平成22年3月17日付)』
 URL http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000004psb-img/2r98520000004xsx.pdf
参考:厚生労働省公表資料。