外国人労働者の不法就労防止について

◆外国人不法就労者数は10年間で約11万人減
 わが国における外国人の不法就労防止を考察するにあたり、まず、就労する外国人労働者数の推移(厚生労働省職業安定局推計:2008年5月)をみると、外国人労働者数の総合計は、約65万人(平成8年)から約92.5万人(平成18年)へ増加(対H8年142.3%)しています。その内訳は、①合法的就労者数は、約37万人から約75.5万人(対比率204.1%)へとほぼ倍増し、②不法残留者数は、約28万人から約17万人(対比率60.7%)に減少しています。後者②のうち多数が不法就労を行っていると考えられていますが、正確な数値は不明です。
◆届出義務化は不法就労防止のため
 外国人労働者の雇用状況については、平成5年から実施各事業所からの年1回の任意報告が、「雇用対策及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律」の施行(平成19年10月1日)で、外国人(特別永住者を除く)を雇用するすべての事業主に届出が義務化されましたので、より正確な数値の把握が可能となりました。但し、現在段階で公表されたのは「速報値(平成20年6月末現在):厚生労働省」で、詳細は、当ブログ記事(9/16)をご参照ください。要は、この外国人雇用状況報告の義務化で、事業主が在留資格を確認すること等により、不法就労防止の効果が期待されているのです。
◆就労できない在留資格
 そもそも不法就労とは、(a)わが国に不法に入国したり、在留期間を超えて不法に残留したりする等、正規の在留資格を持たない外国人が行う収入を伴う活動であり、(b)正規の在留資格を持っている外国人でも、資格外活動許可を受けないで、その許可の範囲を超えて行う収入を伴う就労活動を指します。所謂「入管法」※の在留資格(27種類)のうち、就労できない在留資格は、「文化活動、短期滞在、留学、就学、研修、家族滞在」です。
◆雇用時の事前確認が最重要
 従って、不法就労を防止するためには、外国人を雇用する段階が肝心で、就労させようとする仕事の内容が在留資格の範囲内の活動か、在留期間が過ぎていないかを確認する必要があるのです。対象の「旅券(パスポート)」や「外国人登録証明書」の確認時の留意点は、前者は、許可証印が旅券面に押印されているか、また、最新のものかを確認する必要があり、後者は、日本に入国した外国人が90日以上滞在する場合は、入国した日から90日以内に居住地の市町村に届け出て外国人登録を行わなければなりませんので、きちんと届出がなされているかの確認と、登録後に交付された「外国人登録証明書」を携帯(16歳以上の外国人)しているかを確認する必要があるのです。
 尚、「出入国管理及び難民認定法(昭和26年10月4日政令第319号)」※には「不法就労助長罪」が定められており、該当した者については、「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。(同法第73条の2)」と規定されています。但し、不法就労外国人であることを知らないで雇用した場合には、処罰されることはありません。
資料:厚生労働省職業安定局外国人雇用対策課公表資料。東京外国人雇用サービスセンター資料等。