非正規社員の賃金動向について

◆派遣社員の平均時給は1,300円代
 「派遣社員」の1日平均賃金(8時間換算)は10,571円(厚生労働省2006年度調査:全国約18,000派遣事業所)で賃金は下落傾向にあり、平均時給に換算すると約1,321円です。NPO法人派遣労働ネットワークの調査(2006年)では、派遣社員の平均時給は1,327円で、厚労省調査結果とほぼ近い値になっています。
◆派遣スタッフ平均時給の上位は大都市
 「派遣スタッフ」の平均時給の地域別比較をすると、全国主要6都市の平均時給(2008年5月調査:ディップ)は、①東京主要5区:1,584円(前月比▲3円)、②横浜市:1,447円(同+1円)、③大阪市:1,328円(同▲6円)、④名古屋市:1,323円(同+3円)と大都市が上位を占め、第5位以下の平均時給は1,300円以下です。今年の5月時点では、調査対象主要6都市の平均時給は1,294円で、前掲の両調査結果(2006年度)の1,300円代を下回っているという結果となっています。【注】▲はマイナス。以下同じ。
◆製造派遣は対派遣社員平均時給の約8割
 また、「製造業派遣」の平均時給(2008年5月調査:インターワークス)の上位は、①中部・東海:1,139円(前月比±0円)、②関東:1,129円(同+7円)、③近畿:1,112円(同+12円)で、いずれの地域も前月比増(第4位以下は前月比減)となっており、全国平均は1,081円(前月比▲7円)でした。6月の平均時給は前月順位と変わらず、各平均時給額は、①+59円、②+9円、③+25円といずれも増加したのですが、7月の平均時給は、関東と近畿の順位が入れ替わり、①中部・東海:1,197円(前月比▲1円)、②近畿:1,133円(同▲4円)、③関東:1,130円(同▲8円)と、いずれも減少に転じました。全国平均時給は1,086円で、5月対比で+5円になりましたが、製造派遣の平均時給は、派遣社員のそれの約8割強に当たります。
◆業務請負の平均時給は1,000円未満
 一方、「業務請負スタッフ」の平均時給(2008年4月調査:アイデム)は、①関西・東海:997円(前年同月比▲2.3%)、②関東:994円(同▲4.7%)で、各々9ヵ月及び11ヵ月連続で前年同月比割れという結果です。業務請負スタッフの平均時給は約996円で、対派遣社員平均時給の約75%は他と比較して最も低い水準ですが、反面、請負化はコスト削減になると言えます。
◆派遣・契約社員等の再契約停止増加
 ここにきて、世界金融危機の影響を受け、わが国内の株価暴落後、雇用情勢はこれまで以上に厳しさを増しています。「公共職業安定所の定期ヒアリング結果(2008年10月実施。従業員300人未満事業所の主要中小企業計4,285社を対象)」によると、製造業において、「派遣、パート・アルバイト、契約社員等の再契約停止(29.4%)」が対7月ヒアリング時より増加しており、とくに、輸出型製造業では、43.6%が再契約停止を実施しているとの回答です。また、「賃金・雇用調整」を実施していると回答した事業所(15.2%)のうち、賃金調整(55.6%)、残業規制(45.2%)を実施しているとの結果が出ています。政府は、生活支援策として「追加経済対策」を決定(10/30)したところで、金融不安の高まりや企業がコスト削減する中、実体経済がどこまで浮揚するかは不透明ですが、年長フリーター(25歳~34歳)の雇用拡大に対する企業への奨励金支給策のみならず、広く非正規社員の雇用安定対策が切に望まれます。
参考:厚生労働省職業安定局公表資料。日本経済・日経産業・朝日新聞各紙記事。