「外国人労働者雇用状況(速報)」について 【第100号】

◆事業主は届出義務有り
 外国人労働者の雇用状況については、当ブログ記事※1)でご紹介のとおり、平成5年から実施されてきた各事業所からの年1回の任意報告に委ねられていましたが、「雇用対策法及び地域雇用開発促進法の一部を改正する法律」の施行(平成19年10月1日)で、事業主による外国人労働者の雇い入れ・離職時に、その氏名・在留資格・在留期間等を厚生労働大臣(公共職業安定所長:ハローワーク)への届出が義務化されましたので、より正確な数値の把握が可能となりました。
◆労働者派遣・請負就労者は35.6%
 今回、厚生労働省が公表したのは、その届出状況の「速報値(平成20年6月末現在)」※2)で、当該改正法施行時点で現に雇い入れている外国人労働者については、今年の10月1日までの届出期限(経過措置)となっている為、正確な数値把握にはもう少し時間を要します。当該「速報値」によると、外国人労働者数は33万8,813人(対平成18年調査比52.0%増)で、雇用事業所数は5万7,026事業所でした。うち、主に労働者派遣・請負業を行う事業所で就労している人数は12万601人で、全体の35.6%を占めています。
◆中国・ブラジル人で過半以上、1都3県に集中
 出身地域別では、①中国:149,876人(占率44.2%)、②ブラジル:70,809人(同20.9%)の順に多く、2ヵ国合計で65.1%を占めています。在留資格等の詳細内訳では、(a)専門・技術的分野の在留資格、及び(b)特定活動(技能実習生等)を占める第一位は、各々24,405人、58,703人と中国で、(c)資格外活動(留学・就学)も、①中国:37,323人、②その他:7,162人、③韓国:3,442人と続き、中国がトップです。(d)永住者及び(e)日本人の配偶者等別で、各々の人数は、①ブラジル、②中国、③フィリピンの同順位で占めています。また、外国人労働者の分布を都道府県別にみると、①東京都:77,080人(占率22.8%)、②愛知県:44,823人(同13.2%)、③静岡県:22,092人(同6.5%)、④神奈川県:19,294人(同5.7%)の順に多く、この1都3県の合計人数:163,289人で約48.2%を占め、特定の都県に集中しています。
◆今後の労働力確保のため
 先月始め、「EPA(経済連携協定)」に基づき、インドネシアの看護師・介護福祉士候補者(合計:208人)の受入れが実施され、わが国はこの2年間で最大1,000人を受け入れる方針です。EPAは当該国に限らず、今後も外国人就労は進行すると思われますが、その受入態勢が肝要であることは、当ブログ記事※3)で述べたとおりです。少子高齢社会のうえに、ワーキングプアの増加等、わが国の労働市場の現状を鑑みれば、生産年齢人口の減少が懸念され、今後の労働力確保のためには、外国人労働力に依存しなければならない現実が待っているのは明らかです。そういう観点からも、当調査データは重要であり、10月1日期限までに未届事業所の正確な報告が待たれるところです。
※1)当ブログ記事(5/27日付)「外国人労働者の雇用状況と適正な雇用管理」ご参照。
※3)当ブログ記事(8/5日付)「『EPA』に基づく外国人就労の受入態勢について」ご参照。
参考:※2)厚生労働省職業安定局外国人雇用対策課発表(平成20年9月8日付)資料。
★当ビジネスブログ記事は、お蔭様で今回「第100号」発信となりました。皆様のご支援の賜物と厚く感謝申し上げます。今後共何卒宜しくお願い申し上げます。