日雇い派遣禁止法案について(№4)

◆規制強化の方向
 「労働者派遣制度見直し案(基本方針)」が先月8日に厚生労働大臣に提出され、同省有識者研究会の議論を経て、いよいよ労働政策審議会で改正法案づくりに着手されているところです。これまで規制緩和を進めてきた労働者派遣制度は、現況から規制強化に踏み出そうとしています。
◆どうなる日雇派遣労働者
 しかし、偽装請負・ワーキングプア等の社会問題化に対処するだけの規制強化では、すべてを解決することはできません。規制強化策の一つである「日雇い派遣に加え30日以内の派遣の原則禁止」が現実化すると、仕事も生活費も無くなる日雇い派遣労働者は、窮地に追い込まれることになるのです。果たして、国は日雇派遣労働者の生活を真剣に考えているのでしょうか。規制強化するならば、日雇い派遣労働者について議論され、セーフティネットが準備された改正法案でなければなりません。
◆失業手当受給も厳しい
 と言うのも、すでに当ブログでご紹介のとおり、「日雇い派遣労働者の生活実態(4/24ブログ記事)」は、一般労働者の想像を絶する「from hand to mouth(その日暮らし)」の生活を強いられています。失業手当である最低条件の「日雇労働求職者給付金」支給の権利を得るのには、給付を受けようとする月の前月及び前々月の2ヶ月間で最低26日以上の仕事をした「証(日雇労働被保険者手帳に雇用保険印紙の貼付)」が必要であり、この場合でも、最大給付日数はわずか13日分に相当する当該給付金しか支給されないのです。しかしそれ以前に、日雇い派遣労働者が、複数の会社に登録し、職場を転々として不安定な雇用状態にあるという全国一律条件をクリアしないと「失業認定」されないので、失業手当も容易に確保できない厳しい現実があるのです。
◆失業保険をセーフティネットに
 このように、日雇い派遣労働者が規定就労数を確保するのも困難な中、仮に常用雇用が決まったとしても、その最初の給料日までの約40日間分の生活費を確保する手立てが最優先課題であり、日雇派遣労働者にとっては、本当に死活問題なのです。確かに、ハローワークが担当する相談支援窓口で、「生活支援」と「居住支援」の貸付金給付(要件有り)が開設されていますが、返済義務が重く圧し掛かるだけですし、また、「特例一時金(短期雇用特例被保険者の求職者給付)」※1)がありますが、すべての日雇派遣労働者が該当する訳ではありません。救済すべきは日雇派遣労働者であり、せめて、常用雇用時の給料日までの生活費を失業保険で給付する等の新たなセーフティネットを備えた改正法案になることを切望する次第です。
※1)季節的に雇用される者及び1年未満の短期の雇用に就くことを常態とするものについては、基本手当の40日分の一時金が支給される。但し、公共職業訓練等を受ける場合は、特例一時金に代えて一般の求職者給付を支給。
参考:「日雇派遣労働者の方へ」厚生労働省公表資料。ハローワーク資料等。日本経済新聞記事。