「厚労省研究会報告書(概要)」のポイント

 今般、「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」がまとめた報告書が公表されましたので、改めて、以下にその概要ポイントをご紹介致します。当該報告書を踏まえ、厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会は、労働者派遣法の改正について、本格的な議論を開始する予定で、10月末までに詳細を詰めて、秋季臨時国会に改正案を提出する方針です。
◆制度についての基本的な考え方
 労働者派遣制度の現状及び課題として、①労使双方のニーズを背景に労働者派遣は大幅に増加したが、派遣を選択する理由には、積極的な理由と消極的な理由がみられる。②偽装請負や日雇派遣における違反事案が顕在化。登録型派遣について雇用が不安定で、正規労働者との格差等も問題として指摘されている。③労働者派遣は、雇用の安定、待遇の改善、違法派遣の対処といった点に課題があると捉えています。
 この現状と課題を踏まえ、制度検討に当たっての基本的視点として、①常用雇用代替防止を前提とし、臨時的・一時的な労働力の需給調整システムとしての制度の位置付けは維持し、派遣労働者の様々なニーズに配慮したものとなるようにするとの視点を基本とする。また、②派遣労働者の保護と雇用の安定を充実させる方向で検討することが望ましいとしています。
◆「報告書(概要)」のポイント
(a)派遣労働者の保護と雇用の安定が図られるような方向とすべき。①日雇派遣は禁止(禁止の範囲は、原則的に禁止すべきとの意見も勘案し、具体的に検討が必要)、登録型から常用型へ誘導する仕組みを設ける等、派遣労働者の雇用形態別に在り方を整理する。②待遇改善の努力義務化、所謂「マージン」公開の義務化、グループ企業派遣の割合規制、違法時の派遣先に対する雇用契約申込みの勧告を創設する等、派遣労働者の雇用の安定や待遇の改善、違法派遣への対処を強化する。
(b)常用雇用代替防止を前提とし、臨時的・一時的な労働力需給調整しすてむとしての位置付けは維持する。
◆弊社「提言」と同調「社説」
 すでに皆様ご承知のとおり、労働者派遣法「見直し案」に対する弊社「提言」は、弊社運営のビジネスブログ「人事総務部」-ブログ&リンク集-の6月記事に掲載しており、「見直し法案」に対する弊社のスタンスは変わりません。「日経」・「読売」各紙も7月「社説」で同調表明されましたので、改めて、以下にご案内致します。
 (1)弊社【提言】「日雇い派遣の原則禁止法案について」(2008年6月20日付)。(2)弊社【提言】「日雇いという言葉が、イメージを下げている」(2008年6月25日付)。(3)日本経済新聞【社説】:「日雇い派遣の禁止でいいのか」(2008年7月7日付朝刊)。(4)読売新聞【社説】:「日雇い派遣 規制強化の前に冷静な論議を」(2008年7月8日付朝刊)。(5)弊社【提言】「労働者派遣法『見直し案』について」(2008年7月11日付)。
参考:「『今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会報告書』について」平成20年7月28日付厚生労働省職業安定局公表資料。2008年7月29日付日本経済新聞朝刊。