労働者派遣法「見直し案」に対するマスコミ各紙の意向

◆弊社「提言」は、6月の当ビジネスブログで
 与党の「新雇用対策プロジェクトチーム」による「労働者派遣制度見直し案(基本方針)」がまとめられ、舛添厚生労働大臣に早期実施を申し入れたのは7月8日のことですが、弊社が運営するビジネスブログ「『人事総務部』-ブログ&リンク集-」の記事においては、すでに6月に、(1)「日雇い派遣の原則禁止法案について(2008年6月20日付)」、(2)「日雇いという言葉が、イメージを下げている(2008年6月25日付)」のタイトルで、2回にわたり提言したのはご案内のとおりです。
◆弊社「提言」の趣旨
 改めて、その趣旨を申し上げると、前掲(1)では、日雇い派遣の原則禁止は、①「空き時間を活用したい学生や主婦のアルバイトはできなくなり、また、給与だけでは生活が苦しく、やむなく副業するサラリーマン等ダブルワーカー等の仕事まで奪われることになってしまう」こと。そして、②「『バイト』と『日雇い』は異なる雇用形態なので、同次元で検討しないこと。救済すべきは日雇い派遣労働者で、雇用保険を活用した救済策検討が喫緊の課題である。」ことを主張しました。また、前掲(2)では、「日雇いを悪視せず、学生・主婦・サラリーマン等の『スポット派遣』については、事前の安全教育の徹底等、安全衛生管理を踏まえた体制を構築すべきだ。」という内容でした。
◆「日経」・「読売」各紙は、7月「社説」で同調表明!
 弊社提言後、日本経済新聞【社説】は、「日雇い派遣の禁止でいいのか(2008年7月7日付朝刊)」のタイトルで、「きちんと検証しないまま禁止するのは安易ではないか。(中略)禁止はこれらの人(社説本文の前掲:フリーター、学生、主婦、社会人。)の利便性も損なう。」と、弊社提言に同調意見を表明しました。
 また、読売新聞【社説】も、「日雇い派遣 規制強化の前に冷静な論議を(2008年7月8日付朝刊)」のタイトルで、日雇い派遣について、「学生や主婦には、時間に余裕があるときに仕事ができる便利さがある。直接雇用のアルバイトなどと違い、企業も募集や面接業務の負担から免れる。中小企業などにはありがたい制度だ。」と、弊社提言に同調しました。そして、続けて、「国が一方的に規制強化し、こうした労使双方のプラス面まで失われては、かえって職を失う人が増える恐れはないか。(中略)まずは労使で徹底的に議論すべきだ。」と提言しています。
◆相対する「毎日」・「中日」各紙の意向
 これらに対し、毎日新聞【社説】は、「グッドウィル廃業 派遣労働者保護へかじを切れ(2008年6月26日付)」のタイトルで、「派遣の規制緩和から規制強化へとかじを切る必要がある。法改正で日雇い派遣を禁止するのは当然だが、(中略)抜本的な改正に踏み出してもらいたい。」と、日雇い派遣禁止を認めるスタンスです。また、遅まきながら、地方紙の中日新聞【社説】は、「日雇い派遣禁止 『非正規』削減に弾みを(2008年7月21日付朝刊)」のタイトルで、「原則禁止は当然である。(中略)遅すぎたが政府の姿勢は妥当である。」と、毎日新聞と全く同様の歩調です。尚、全国紙の朝日新聞は、同意向の「社説」は無く、現在のところ、「日雇い派遣原則禁止など、与党見直し案が正式決定(2008年7月9日付)」したという事実報道の朝刊記事に留まっています。
 8月下旬にも召集される臨時国会に労働者派遣法改正案か提出される方針ですが、日雇い派遣労働者及び産業界の現状を十分踏まえた論議が行われることを期待するばかりです。
参考:日本経済新聞・読売新聞・朝日新聞・毎日新聞・中日新聞の各紙記事。