労働者派遣法「見直し案」について(№3)

◆「見直し案」ポイントから
 与党の「新雇用対策に関するプロジェクトチーム」は、「日雇い派遣原則禁止」等の労働者派遣法「見直し案(基本方針)」をまとめ、過日、厚生労働大臣に早期実施を申し入れました。当該見直し案の「日雇いの原則禁止」については、すでに当ブログ記事で提言※1)のとおり、日経・読売の両新聞社には「社説」で同調意見を表明していただいたところですので、今回は、「派遣会社の受け取る手数料(マージン)の公開を義務付け」について一言主張しておきたいと思います。
◆自由競争を阻む手数料公開
 これまで、派遣元企業が得る手数料が非公開なのは業界の常識ですが、この情報開示を義務付け、派遣労働者が有利な登録先を選べるようにするという案です。この点について、企業の立場からすれば、手数料の開示は、必要経費等をはじめ、利益明細を公開することになり、他業界でどこが個々の手数料を開示しているでしょうか。そんな企業は社会主義国にも在りません。手数料を求めるのなら、介護保険料のように国定手数料にされた方がまだマシです。これでは、全く企業は成り立たず、自由競争を否定する考えにほかありせん。
◆企業の現実を直視して!
 実際、派遣労働者の人件費には、社会保険・労働保険・年金・有給・通勤交通費・健康診断の他、派遣元企業特有のコーディネーター料等、諸々の経費負担と合わせて80%以上の人件費がかかっていることを直視していただきたいのです。今秋の労働者派遣法が改正される前に、企業が生き残りをかけて日々闘っている現実を十分に踏まえた上で、労働者派遣法の改正に臨んでいただきたいと期待するばかりです。
※1)「日雇い派遣の原則禁止法案について(2008年6月20日付)」、「日雇いという言葉が、イメージを下げている(2008年6月25日付)」ご参照。
参考:日本経済新聞社説「日雇い派遣の禁止でいいのか(2008年7月7日付朝刊第2面)」、読売新聞社説「日雇い派遣 規制強化の前に冷静な論議を(2008年7月8日付朝刊)」、2008年7月9日付「日本経済新聞」朝刊第7面記事。