労働者派遣法の“コンプラ”の難しさ 政令26業務

◆政令26業務は「付随的業務」による難しさ
 人材派遣において、「政令26業務」は派遣受入期間の制限のない業務(労派法第40条の2)のため、全く安心されている派遣先及び派遣元事業主が散見されます。実は、この「政令26業務」が曲者なのです。と言うのは、「政令26業務の付随的業務」の派遣は、その割合が通常の場合の1日当たりまたは1週間当たりの就業時間数で1割以下のものであることが絶対条件になっており、当該割合を超える業務は、所謂「複合業務」として派遣受入期間に制限のある業務に該当することになるのです。
 例えば、この不景気で翻訳業務(第6号)が減少した為、雇用を守ろうとする意図で営業事務の手伝いを依頼したとします。ここで労働局からチェックされたなら、即時“派遣法違反”になってしまうのです。企業が良かれと考えて実施した“雇用確保”の行為が、結果的に派遣法違反を招いてしまうことを派遣先事業主はしっかりと理解されておかれる必要があります。
◆政令26業務でも有効な“雇用申入れ努力義務”
 例えば、「政令26業務」で1名の派遣社員を3年派遣で受け入れているとします。業務が多忙となり、同業務でもう1名派遣を依頼すれば、先の1名には雇用申入れ義務が発生しているのです。当該派遣社員が雇用申入れを断って初めて次の1名が増員できるのです。政令26業務でも3年以上の同一業務でも、長期派遣はコンプライアンスにおける問題を抱えていることを理解しておいてください。
 この「政令26業務」は冒頭に記載のとおり、派遣受入期間制限のある業務範囲から除外されていますが、それはあくまでも「政令26業務」※でなければならないので、前掲のように「複合業務」になってしまえば、確実に“労働者派遣法違反”となります。従って、事業主の優しさが違反に繋がるような法律は改めるべきです。とくに現在のような不況時には、雇用の安定を図るうえでも、新政権や厚生労働省や労働局は特例を認めるべきと考えます。
※労働者派遣法施行令第4条に規定。
【ご参照】
●当ブログ記事(09/10/9日付):『“業務偽装”を回避すべく「複合業務」の実態精査を』。
●当ブログ記事(09/2/27日付):『コンプラ違反と派遣可能期間制限について』。