厚生労働省告示第37号“派遣と請負の区分基準”の不明確さ

◆雇用創出を阻害する「告示第37号」
 派遣と請負の区分基準(所謂「労働省告示第37号」)が国内の産業発展の足かせになっています。また、これはあくまで区分基準であり、行政と企業間の認識の仕方により白にも黒にも変化します。従って、グレーソーンである“偽装請負”が誕生したと言えます。なぜなら、これまで企業間取引(請負契約)において通常行われていたことが否定されたことに因ります。
 例えば、メーカーが下請外注で加工依頼をする場合、メーカーは機械設備を無償貸与して加工工賃を下請に支払っているケースも少なくありません。これを同様に構内で行うとすると、無償貸与の点で所謂「告示第37号」の区分基準に反してしまうことになるのです。また、AとBの部品接続作業を下請外注に依頼する場合、当該部品を渡して接続作業の加工賃を外注費として支払ってきました。しかし、これをメーカー構内で請負う場合は、加工賃契約は否定され、部品を買い取って請負をと指導することになります。
◆経済産業省は「請負の明確化」を
 これらの事例を踏まえ、所謂「告示第37号」を派遣と請負の区分基準として機能させるならば、企業間取引(ビジネス)の現実により合致した形となるよう経済産業省が主導し、請負のビジネスモデル“雛形”を構築すべきです。請負はあくまで企業間取引です。それを派遣と請負を区分することにより弊害が生じているのです。前記の例はほんの一例に過ぎません。わが国のこれまでの企業間取引を否定したものと言えます。この区分が企業の困惑に繋がり、コンプライアンスできないことを事由に海外生産に切り替えているケースも少なくありません。
 雇用崩壊の今こそ請負のビジネスモデルを明確にし、日本の雇用を創出すべきです。今の雇用崩壊から救ってくれるのは“請負”です。「請負の明確化」により、数十万人の雇用創出が可能です。企業が使い易く明確な請負基準策定を経済産業省に望むものです。