厚生労働省の人材派遣会社に対する資産要件変更は雇用破壊へ

◆“偽装特定派遣”を懸念
 平成21年10月に実施予定されている派遣業の資産要件の変更は、80%以上の派遣会社を縮小か廃業に追い込みます。それは何を意味するのでしょう。次の雇用先があれば問題も最小限に止どまりますが、今は“100年に1度”と言われる雇用危機です。この雇用危機に、更に追い討ちをかけるのが厚生労働省の資産要件の変更です。今後、一般派遣(登録型)は新規登録や更新ができず、特定派遣(常用型)に切り替えてきます。なぜなら、常時雇用型は資産要件が無いためです。しかし、果たしてそれでいいのでしょうか。特定派遣の許可の下、一般派遣を行う行為が横行するのが目に見えています。一般派遣会社が減り、偽装特定派遣会社が横行することが懸念されます。厚生労働省は今回の介護基準切替えについてシミュレーションもせず、厚労省の論理で物事を運んでいます。労働者の為になる行政を期待したいものです。
◆一般及び特定派遣事業の区分
 一般労働者派遣事業は、特定労働者派遣事業以外の労働者派遣事業をいい(労働者派遣法第2条第4号)、登録型や臨時・日雇いの労働者派遣事業がこれに該当します。事業主の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局を経て、厚生労働大臣に対して許可の申請(許可制)をしなければなりません。
 他方、特定労働者派遣事業は、その事業の派遣労働者(業として行われる労働者派遣の対象となるものに限る)が常時雇用される労働者のみである労働者派遣事業をいうとの規定(同法第2条第5号)に基づいています。一般労働者派遣事業と異なるのは、厚労相に届出書(届出制:同法第16条及び第5条)』を提出しなければならないのですが、「許可基準」は直接適用されない点が挙げられます。
参考:『新版労働者派遣法の法律実務【上巻】(安西愈著)』労働調査会。『派遣元責任者必携2007年版Ⅱ労働者派遣法(社団法人日本人材派遣協会)』(社)財形福祉協会。