派遣法改正、雇用問題、賃金格差

 今の政治やマスコミは、雇用問題をどう考え、どう解決に持っていくつもりなのでしょうか。与野党とも、一体何をしたいのかが全く理解できません。雇用問題は、今わが国において一番大きな社会問題である筈です。金融不況が発生するまでは「偽装請負」「賃金格差」「日雇い派遣」と大騒ぎし、いざ金融不況の直撃を受けたら、「製造派遣」「派遣切り」と大騒ぎ。まるで芸能ニュースと何ら変わりありません。
 「日雇い派遣禁止」とか「製造派遣禁止」と、禁止論を主張するだけなら誰でもできます。それはまた、現在派遣で働く人々の不安を煽っているだけです。今後、わが国の産業界の雇用をどの方向に牽引していくかの議論は皆無に等しい状況です。また、方向付けをした場合のセーフティネットは論議にもなっていません。単に労働者派遣法を改正するだけでは、わが国の雇用問題は全く解決しないのです。
 派遣法改正、同一労働・同一賃金(賃金格差)に伴うセーフティネット、それらが一体となって議論・改正されない限り全く無意味です。改正労働者派遣法で所謂「自由化業務」を禁止しても、企業が有期契約社員として継続雇用するならば、果たして、それで非正規雇用問題は解決されたことになるのでしょうか。派遣法を改正する意味がありません。なぜこの点について議論がなされないのでしょうか。
 今、政治やマスコミや経済界がこれらを焦点として論議すべき時です。世界同時不況の渦中、今の「雇用対策」が最も重要と考えています。雇用保険法が改正されてもすべての非正規労働者のセーフティネットに至らず、雇用不安は残ります。「派遣法改正」、「雇用問題」、「賃金格差」の三位一体改革は、厚生労働省に依存するのでなく、今年行われる総選挙の政局を占う“大命題”として国民に信を問わなければ、「雇用問題」の根本的解決にはならないと考えます。