中小企業の起死回生なるか(№28)

◆「増産」計画は一筋の光
 突然の元財務・金融担当相の辞任劇で、国会での「2009年度予算案及び関連法案」の審議は牛歩以上に遅々としているうえ今後は政局の混乱も予想されますので、「労働者派遣法改正案」見直し審議にはなかなか到達できない雲行きです。国内企業が世界同時不況の直撃で減産に臨んでいる中、政府の「月例報告(2月)」では景気基調判断が5ヵ月連続で下方修正され、個人消費は「緩やかに減少」と判断される等、経済情勢は深刻さを増しています。このように景気低迷が個人消費にまで波及する中、裾野が広い大手自動車メーカーが在庫調整の進展により「5月に国内生産台数増産」の方針を発表(2/18)したのは、冬雲に一筋の光が差し込んだ感がします。
◆「新雇用対策PT」で検討継続
 ところで、労働者派遣制度の見直しに関しては、「与党新雇用対策に関するプロジェクトチーム(座長:川崎二郎元厚労相。計15名で構成。以下、PTと略。)」の提言※1)以降、定期開催で検討が重ねられていますが、新年早々の「製造業まで派遣労働を適用するのはいかがなものか」という厚労相発言に対しては、当ブログ記事(1/6日付)で「法改正の規制強化に依存する体質を露呈している」等と記載しましたのでご参照いただければ幸甚です。そしてこの度、前記PTで非正規労働者問題に関する検討項目がまとめられました(1/15)。それによると、厚労相発言の製造業派遣に関しては、派遣自体の全面禁止は当面見送る方針となりました。但し、製造派遣規制については、所謂「派遣切り」された非正規労働者を対象として、派遣元会社が再就職斡旋の義務付けや、派遣先会社が支払う損害賠償制度を法制化する等について議論するとの案です。
◆「派遣先責任」の重視と「請負化」推進を
 弊社が過少数値と反論する「厚生労働省調査結果(第3回:1/26時点)」について、派遣労働者削減人数を見ると「4万2,716人の中途解除」とあり、これは対非正規労働者削減人数全体の約3割以上(34.2%)、対派遣労働者削減人数のほぼ半数(49.8%)を占めています。この度の大量「派遣切り」で、所謂「2009年問題」はその猛威に“ブッ飛び”、非正規労働者削減数は「派遣切り」に包括されて年度末までに大幅増加するものと予測します。今後の製造派遣に言及すれば、前掲のPT方針と同様に「製造派遣全面禁止は不適」であり、「派遣先企業の責任」を重視すべく「派遣先責任者受講制度」の創設や、これまでの「構内外注(製造派遣)」による偽装請負を撲滅すべく「構内外注(構内請負)」の復活等は、わが国内の中小企業の起死回生に繋がるものと考えます。詳しくは当ブログ記事※2)で「提言」していますのでご参照ください。
※2)ブログ記事(1/6日付):「厚生労働大臣の発言こそ如何なものか???」、同記事(1/15日付):「製造派遣規制強化は『派遣切り』を加速させる」、同記事(1/19日付):「製造派遣先事業主の責任を明確に」等ご参照。
参考:※1)「労働者派遣制度の見直しに関する提言(平成20年7月8日付)」。