派遣法改正 『みなし制度(労働契約申込みみなし制度)』とは

◆“派遣労働者の保護”を基点とした改正案

 当ブログ記事※1)でご案内のとおり、「労働者派遣法改正案」は閣議決定(3/19)されました。基本政策閣僚委員会(3/17)で社民・国民新両党の反論を受け、「事前面接」解禁に係る規定が削除されましたが、同法改正案は“派遣労働者の保護”を基点として“規制強化”となりました。

◆労働契約申込み「みなし制度」の創設

 当該改正案は、「派遣切り」が社会問題としてクローズアップされたことに大きく影響を受けましたが、それのみならず、違法派遣(偽装請負等)の増加や行政処分を受ける企業の増加も背景にあったことは否めません。そしてこの度、当該改正案には“派遣労働者の保護及び雇用の安定その他福祉の増進”が目的規定として明記され、違法に対する迅速・的確な対処をするため、「労働契約申込みみなし制度等の創設」が規定(第40条の6第1項関係)されました。

◆「違法派遣」に対処

 当該規定は、違法派遣の場合における直接雇用の促進を前提としています。即ち、派遣先が、以下の【a】~【d】のいずれかに該当する行為を行った場合には、その時点において、派遣労働者に対し、当該派遣労働者に係る労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みをしたものとみなすものとする規定です。
【a】禁止業務(第4条第1項各号)への派遣受入れ。
【b】無許可・無届の派遣元からの派遣受入れ(第24条の2)。
【c】期間制限を超えての派遣受入れ(第40条の2)。
【d】所謂「偽装請負」の場合(第26条第1項各号)。
 尚、「登録型派遣の原則禁止(第35条の3第1項関係)」に違反して常時雇用する労働者でない者の派遣受入れは、「みなし制度」に掲げる行為に追加するとの規定(第40条の6第1項関係)により抵触することとなります。そして、「みなし制度」に関し、厚生労働大臣は、必要な助言、指導または勧告、公表をすることができると規定(第40条の8第1~第3項関係)しています。
※1)当ブログ記事(10/3/19日付)
 :『★“修正案”で本日閣議決定された「労働者派遣法改正案」』
参考:『労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案要綱』(平成22年3月19日付):厚生労働省職業安定局公表資料。