★“修正案”で本日閣議決定された「労働者派遣法改正案」

◆閣議決定された“修正案”

 本日(3/19)、鳩山内閣は「労働者派遣法改正案」を閣議決定しました。先日の当ブログ記事※1)に記載のとおり、同改正案は、『労働者派遣法改正案要綱』の答申(10/2/24日付)後、規制強化を求める社民・国民新両党※2)の反論を受け、急遽、基本政策閣僚委員会(3/17)で「事前面接」解禁に係る規定が削除された“修正案”です。一昨年来の所謂「派遣切り」が社会問題としてクローズアップされてから規制強化の流れとなり、同法改正案は“派遣労働者の保護”に重点を置き、同法改正案の名称※3)になりました。

◆修正された『派遣法改正案要綱(答申)』

 急遽、派遣法改正案から削除された「事前面接」解禁に係る以外の規定は、『要綱(答申)』のとおりです。ただ、当ブログのスタンスは、当該「事前面接」解禁規定(規制緩和)が削除されたことのみを非難している訳ではなく、鳩山首相が『要綱(答申)』の段階で、《相当の議論の中でようやくまとまったものだ。変えるというのは極めて難しい(3/12:参院予算委員会)》と断言しており、長妻厚労相も《労使合意が大前提と反発》したにもかかわらず押し切られてしまったことです。

◆安易に受け入れられた「修正要求」

 当該『要綱(答申)』は、労働政策審議会で公労使の三者による議論に基づく改正案であるという点で、鳩山首相が重視していたにもかかわらず、前掲の閣僚委員会で社民・国民新両党の修正要求に対し、菅直人副総理・財務相が安易に受け入れたという感は否めません。尚、ここで労政審の「答申」について、《公益委員は本来、識者として「発言する立場」》にあるが、実際は《労使の「仲裁役」に徹し、大所高所からの公益委員たる意見が影を潜めてしまった印象は否めません(木村大樹氏:国際産業労働調査研究センター代表)》※4)というご意見があることをご紹介しておきます。

◆“優柔不断な政治主導”

 《今回のように、「諮問→答申」のケースは非常に珍しく、厚生労働省によると今回が2例目(前掲:木村大樹氏)》とのことですが、閣議決定の後先にかかわらず、今後、同法改正案が国会に提出される予定ですが、改正案の段階だからこそ国民は十分な議論を切望するのであり、連立与党内で安易に修正要求が飲まれてしまう鳩山内閣の“優柔不断な政治主導”は、尾を引くものと懸念するばかりです。
※1)●当ブログ記事(10/3/17日付)
 :『「事前面接」解禁見送りで“どうなる労働者派遣法改正案(№2)”』
※2)●当ブログ記事(10/2/15日付)
 :『派遣法改正の鍵は“社民党”と“国民新党”の意向』
※3)改正案:『労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律』。
※4)『月刊人材ビジネス』第25巻第3号通巻284号3月号(株式会社オピニオン)。
参考:『労働者派遣法改正案要綱の答申について(平成22年2月24日付:労審発第571号)』:厚生労働省公表資料。日本経済新聞記事。