★「事前面接」解禁見送りで“どうなる労働者派遣法改正案(№2)”

◆社民・国民新両党の反論

 先日、社民党の反論で「労働者派遣法改正案」※1)の閣議決定が見送られた※2)ところですが、本日(3/17)の基本政策閣僚委員会で、派遣先企業が派遣社員を選別する「事前面接」を解禁するとした原案を修正する方針を決めました。

◆同改正案『要綱』の答申で“解禁を規定”

 前掲の当ブログ記事※2)に掲載のとおり、同派遣法改正案『要綱』の答申※1)では、「期間を定めないで雇用される労働者に係る特定を目的とする行為の解禁」の項目で、《(前略)当該労働者派遣契約の当事者が合意したときは、これを適用しないものとすること。》と規定しています。この解禁は、例えば、派遣先で事前面接を行ったり、派遣先に履歴書を送付したりすることができることを意味し、部分解禁に当たると記載しました。

◆「事前面接」は禁止されている

 社民・国民新の両党が反論している「事前面接」について、そもそも論を申し上げれば、派遣先は、労働者派遣契約により派遣会社から派遣労働者を受け入れるだけであるため、派遣先自社が雇用するのではない点において、「派遣労働者を特定することを目的とする行為」として禁止されている(派遣法第26条7項)のは周知のとおりです。但し、同法は「紹介予定派遣を除く」として規定し、また、「同改正案要綱」の答申で「登録型派遣の原則禁止」の例外としても規定していますので、ここでは「紹介予定派遣」についての詳細記述は割愛することとします。

◆容易に修正要求された『要綱(答申)』

 派遣契約締結時の準備行為として、これまで「事前面接とならない業務内容の詳細説明」や「職場環境や業務状況の見学」等々は、契約内容の事前理解のために派遣労働者自身にとっても必要な行為として許されていることを鑑みると、“事前面接解禁すれば、容姿で選考される(社民党党首)”等の旧態依然とした捉え方を捨て去る方が時代に即していると言えるのかもしれません。実際、派遣労働契約の締結現場からすれば、この呪縛から早く逃れたいばかりでなく、その実態を十分踏まえた上で改正に臨んで欲しいというのが本音かもしれません。

◆連立与党の“優柔不断な姿勢”を嘆く
 冒頭に掲載した両党による修正要求は菅直人副総理・財務相が受け入れたようで、現在のところ、同派遣法改正案は閣議決定(3/19)後、今国会に提出される予定です。当該「要綱」の答申は、労政審で公労使の三者による議論に基づいている為、鳩山首相は《相当の議論の中でようやくまとまったものだ。変えるというのは極めて難しい(3/12:参院予算委員会)》※3)との消極的スタンスで、頑なに“取り敢えず改正”と言う一点張りです。ただ国民は、同法改正案の段階だからこそ、政府連立与党内で安易に修正要求が飲まれてしまう“優柔不断な姿勢はいかがなものか”という気持ちを抱いている事実だけは確かです。
※2)当ブログ記事(10/3/12日付) 
 :『閣議決定見送りで“どうなる労働者派遣法改正案”』
※3)当ブログ記事(10/3/16日付)
 :『派遣法改正で求められる“有期雇用派遣労働者の雇用安定”』
【ご参照】
●当ブログ記事(10/2/15日付)
 :『派遣法改正の鍵は“社民党”と“国民新党”の意向』
●当ブログ記事(10/2/25日付)
 :『労働政策審議会 派遣法改正案「要綱」を厚労相に答申』
参考:※1)『「労働者派遣法改正案要綱」の答申について(平成22年2月24日付:労審発第571号)』厚生労働省公表資料。日本経済新聞記事。