派遣労働者の特定の禁止

◆派遣労働者を特定することを目的とする行為
 厚生労働省が実施した「派遣労働者調査」※1)によると、「派遣先の決定前に行われていること」という質問に対し、①「派遣先への履歴書の提出(「よくある」・「たまにある」の合計)」が46.8%、②「派遣先による面接の実施(同合計)」が50.7%という回答結果が表されています。
 当結果が示している内容は、まさに、労働者派遣法第26条第7号の「労働者派遣(紹介予定派遣を除く。)の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づくそれらの行為をしないように努めなければならない。」に違反し、派遣先決定前に、労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為が行われていたという事実を示しています。
 さらに、派遣先指針※2)では、紹介予定派遣の場合を除き、「労働者派遣に先立って面接すること、派遣先に対して当該労働者に係る履歴書を送付させることのほか、若年者に限ることとすること等派遣労働者を特定することを目的とする行為を行わないこと。(同指針第2-3)」と、派遣労働者を特定することを目的とする行為が禁止されています。この「事前面接」については、労働者派遣法の次期改正において、どこまで規制緩和されるかが注目される点の一つです。
◆自らの意思に基づく場合は問題なし
 また、前掲の同調査結果で、③「本人が希望した場合における派遣先への事前訪問(前掲同様、同合計)」は31.6%でしたが、これは派遣先指針で、「派遣労働者または派遣労働者となろうとする者が、自らの判断の下に派遣就業開始前の事業所訪問若しくは履歴書の送付又は派遣就業期間中の履歴書の送付を行うことは、派遣先によって派遣労働者を特定することを目的とする行為が行われたことには該当せず、実施可能である」と、派遣労働者が自らの意思に基づく事業所訪問や履歴書送付は、実施できることとされています。
※1)調査対象属性は、男性:42.3%、女性:57.5%。年齢層は30代(39.9%)、20代(27.1%)の順に多く、両世代合計で67.0%。
参考:※1)「労働力需給制度についてのアンケート調査集計結果(平成17年実施)」厚生労働省資料。※2)「派遣先が講ずべき措置に関する指針(平成11年労働省告示第138号)」最終改正:平成19年厚生労働省告示第50号。「人事・労務管理シリーズⅥ-労働者派遣編-派遣を使う、活かす。ここがポイント(社団法人全国労働基準関係団体連合会編著)」労働調査会。「混成職場の人事管理と法律知識Q&A(産労総合研究所編)」経営書院。