「09年問題」&「派遣切り」に遭遇した非正規労働失業者

◆「09年問題」は解決したのか
 米国金融危機による世界同時不況に直撃されたわが国内企業は、大手メーカーはじめ多くの企業が減産による在庫調整の只中で、雇用調整という大義名分により相次ぎ「派遣切り」が敢行されました。すでに非正規労働者削減人数(08年10月~09年3月見通し)は「15万7,806人:厚生労働省調査結果(第4回)※1)」に上ると発表(2/27)されたところです。仮に、この世界同時不況が襲来してなかったとしたら、各企業は所謂「09年問題」に十分対処できたのでしょうか。果たして「09年問題」対策は万全だったのでしょうか等々、各企業に本音を伺いたいところです。当ブログ記事で何度も述べてきましたが、すでに「抵触日(3/1日)」が経過した今となっては、「09年問題」対応は「派遣切り」の猛威に吹き飛ばされたというほかありません。
◆ダメ押しの「通達(厚労省)」
 と言うのも、「09年問題」に対する厚生労働省の“ダメ押し”「要請」※2)では、《クーリング期間(3ヶ月)経過後、再度の労働者派遣の受入れを予定することなく、適切に行われるべきもの》と、基本的考え方を明示しました。振り返って、例えば、「同一場所・同一業務」派遣に関して労派法「第40条の4」の規定により直接雇用に切替えた後に再派遣とする等、《直接雇用への切替えによる対応が違法な労働者派遣事業として判断される場合には、その期間が3か月を超えている場合でも、当該期間が違法であることから、クーリング期間が適正に3か月を超えているとは判断できない》とし、従って、“ホップ⇒ステップ⇒(ジャンプではなく)ホップ”という所謂「飛び石」派遣は法違反となることを再度お伝えしておきます。
◆法違反の「除外」有り
 「派遣切り」の現状について、前掲の厚労省調査結果を見ると「5万120人(中途解除)」で、派遣労働者削減人数の約半分(46.7%)を占めています。契約した派遣期間残の長短を問わず、派遣期間残があるにもかかわらず「雇止め」に遭遇した非正規労働失業者は、仮に今後、直接雇用すると言われても再び職場に戻ることはないと推察します。但し、前掲「要請(通達)」は、《旧派遣労働者が自由な意思に基づいて結果として旧派遣先と雇用契約を締結する場合》は、法違反対象から除外しています。
◆全国各地で開催される“派遣村”
 先日のTVニュース報道で、愛知県で働いていた非正規労働失業者は仕事が見つからないため、鈍行列車で故郷福岡県へ帰ったが仕事は見つからずホームレス生活に陥り、公園ベンチで寝始めた姿が放映されました。“年越し派遣村(日比谷公園:東京)”発足以後3ヶ月目となりましたが、前記の非正規労働失業者と同様の境遇にある非正規労働失業者も少なくないと思います。非正規労働者削減数は、冒頭の厚労省調査で常時第1位の「愛知県:2万3,892人」に一極集中しており、「派遣切り」された非正規労働失業者約500人による抗議集会及びデモ行進が再び行われました(2/22)。そして、3月中の土・日曜には全国各地で“派遣村”開催が予定されており、非正規労働者削減数が上位の(1)愛知県、(3)静岡県、(8)岐阜県(括弧内は全国順位を表示。以下同じ。)は勿論のこと、削減数下位の(9)滋賀・(11)宮城・(17)東京・(18)埼玉・(27)大阪・(31)京都の各都道府県での開催も予定され、「派遣切り」が全国に波及しているのがわかります。「派遣切り」が流行語のように語られる今日、非正規労働失業者自身にとってみれば、これから長いトンネルが続くのか、その先で暖かい春を迎えられるのかという岐路にあると思います。今月末には再び“大津波”が来ますので、皆必死の思いで乗り越えなければなりません。
参考:※1)「非正規労働者の雇止め等の状況について(2月報告:速報2/18時点)」平成21年2月27日付厚生労働省職業安定局公表資料。※2)「いわゆる『2009年問題』への対応について(職発第0926001号。平成20年9月26日付:通達)」厚生労働省職業安定局。