メーカーや人材ビジネス会社の功績は大きかった

◆「雇用の受け皿」として貢献
 最近のメディア報道やその影響を受けた国民の声すべてが“人材派遣は悪”とか“「派遣切り」のメーカーは悪”という風潮になってきているように見受けられますが、かつてのバブル崩壊後、各メーカーは大型リストラを敢行し、新卒採用も絞るという努力をしてきました。当時を振り返れば「大きな雇用の受け皿」として貢献してきたのは、まさに「人材ビジネス業界」にほかありません。
◆約500万人雇用創出の実績
 なぜなら、「派遣労働者約381万人」※+「請負約100万人」の合計で約500万人弱の雇用創出をしてきたという経緯があるのです。メーカーは、派遣や請負があったからこそ国内に工場を新設してきたのです。実際、メーカーや人材ビジネス会社はこの20年間、直接・間接を含め雇用を創出してきたことは否めません。ただ言えるのは、直接雇用が間接雇用(派遣や請負)にシフトしたこの20年間に、労働行政がついてこれなかったという事実です。従って、セーフティネットの充実もできていないのです。
◆“請負はNO!”という厚労省
 4年前に「偽装請負」という魔女狩りが行われ、厚生労働省により“請負はNO!すべてを派遣に”との行政指導が行われたのです。それがまさにこの度の「派遣切り」の根源です。もし製造派遣ではなく“請負”であったなら、人材ビジネス会社は世界同時不況に伴う大幅減産を「雇用助成金」で吸収することができ、住まいと雇用は守られた筈です。とくに製造業は繁閑が大きいため、その対応を本来、雇用調整で吸収することは不可能なのです。
◆今こそ「請負化」を
 世界同時不況の渦中だからこそ、今まさに製造や物流は「請負化」を推進するべきです。「請負化」ができなければ人件費負担が重く圧し掛かり、メーカーは続々と海外へ進出し、製造業の空洞化は更に深刻なものになると懸念します。即ち、製造業や物流は人材派遣には馴染まないため、請負であるべきです。それと併せてセーフティネットやルール作りを急ぐべきです。「抵触日」のある派遣では、基本的に雇用の安定化には繋がらないのです。今こそメーカーも人材ビジネス会社も声をあげて“請負”を推進すべきと考えます。
参考:※「労働者派遣事業の平成19年度事業報告の集計結果について(平成21年1月23日訂正版)」厚生労働省公表資料。