製造派遣規制強化は「派遣切り」を加速させる

◆「製造派遣全面禁止」は不適
 厚生労働大臣の「個人的発言(1/5記者会見)」は、労働者派遣法改正案の見直しに波紋を投げかけており、 今後、製造派遣禁止で規制強化となれば、メーカーは従前に増して「派遣切り」を加速させることになります。なぜなら、各メーカーは新たな規制強化を避けたい為、事前に解約しておいた方が得策と考えるからです。製造派遣に係る問題解決は法改正では無理と判断し、今直面している所謂「2009年問題」と全く同じ繰り返しだと考えるからです。
◆求められるのは「派遣先企業の責任」
 製造派遣に係るトラブル発生時の責任は、本来的に派遣元と派遣先企業の双方にあると言えますが、問題になるのは、使用者である派遣先事業主の責任者(または指示命令者)が労働者派遣法を遵守せず、派遣元事業主に責任のすべてが求められている点にあると思います。というのは、派遣先企業の実務担当者は派遣会社と事前打合わせの機会があるので派遣法を承知していますが、派遣先事業主責任者は、実際に労働者派遣法を熟知していない場合が散見され、それが原因でトラブルが発生していると言っても過言ではありません。
◆「派遣先責任者受講制度」の新設・義務化を
 そもそも派遣会社には派遣労働者100名当たり1名について、所定の派遣元責任者講習を受けることが義務付けられています。現在「派遣先」にはそのような義務はありません。使用者である派遣先責任者に何ら規制が無いのは本当に不思議なくらいです。派遣労働者を直接指示する立場の責任者が、労働者派遣法を熟知していないことが大きな問題なのです。製造派遣に係る問題の根本的解決のためには、派遣先事業主に対しても「所定の責任者講習受講」を義務付け、新たに「派遣先責任者資格」を認証すれば、派遣元及び派遣先の双方に対して罰則が存在し、「適正な派遣」に進展するものと考えます。
◆「派遣雇用契約」は三位一体で
 例えば具体的に挙げると、①派遣労働者を指示命令する責任者は「認定派遣先責任者」であること。②派遣労働者100名以上の場合は「管理派遣先責任者」を任命すること等が想定できます。勿論、これまでどおり、労働者派遣契約は派遣元事業主と派遣先事業主間での締結が前提ですが、派遣雇用契約は派遣元事業主と派遣労働者の両者間に止どめず、派遣先事業主を含めた三者で締結するよう省令変更にて対応すれば、安易な派遣は無くなり、まさに雇用の流動化が実現するものと思います。