「09年問題」の緊急避難措置が無いなら「雇用対策」を急げ

◆「大津波」の渦中にある日本
 新年早々、インドネシア東部ニューギニア島で「M(マグニチュード)7.6」の地震(1/4)がありました。この地震で「津波」が発生し、日本の太平洋岸にまで到達しました。幸い、日本への「津波」による被害は報告されていません(総務省消防庁)が、新年を迎えた日本は、昨年発生した世界同時不況という「大津波」の渦中にあり、その中で漂っていると言えるのではないでしょうか。
◆派遣労働者数は約384万人に増加
 「平成19年度労働者派遣事業報告集計結果(厚生労働省調査)」によると、実際に派遣された派遣労働者数は384万835人(対前年度比19.6%増)に上っています。因みに、①一般労働者派遣事業における日雇派遣労働者数は4万3,222人で、また、②製造業務に従事した派遣労働者数は、全体(一般及び特定)で46万672人(対前年度比92.6%増。占率12.0%)と大幅増加しました。
◆非正規労働失業者数は約50万人と予測
 ただ、世界同時不況の「大津波」の影響で、国内企業は大幅減産態勢に突入し、それに伴う大幅人員削減の結果、派遣労働者をはじめとする非正規労働者が大量の「派遣切り」に遭遇しており、今後は雇用調整が正社員にまで及ぼうとしているのです。その上、これまで規制緩和されてきた労働者派遣法で、製造派遣の「抵触日」を3月1日に迎えるという所謂「2009年問題」の到来を目前に控えているため、非正規労働者の削減に拍車が掛かり、削減数は約50万人に上るものと推測します。
◆不安定な日々を強いられる非正規労働失業者
 昨年末発足の「年越し派遣村(東京)」に登録した村民(非正規労働失業者等)は、一時的な寝る場所であった厚労省講堂から撤退し、今度は東京都の施設の一時使用を認められましたが、ここも来週12日までの期限付きです。冬季のため凍死の危険性もある路上生活より有難いでしょうが、毎日のように寝る場所を追いやられ、食事もままならない生活の厳しさは計り知れません。
◆「09年問題」の緊急非難措置は無い
 当ブログ記事(1/5日付)「非正規労働者雇用の問題点と提言」では、前掲の「09年問題」を大義名分として「便乗派遣切り」が起きているので、「09年問題」を緊急避難的に一時停止すれば、約10万人の雇用を確保できると提言しました。しかし、この「09年問題」対応に関し、厚労省は規制改革会議「第3次答申」において、《最長3年とする派遣可能期間制限を見直さなければ、雇止めや派遣契約の中途解約等が増大する懸念が(原文のまま。以下同様。)》あるという意見に対し、《必ずしも派遣可能期間の満了に伴うものではないことをかんがみれば、「派遣可能期間制限を見直さなければ、雇止めや派遣契約の中途解除等が増大する」との御指摘は、実態に合わないものであり不適当。》と回答しています。そして、《時限的にでも派遣可能期間制限を見直し、雇用を確保していくことが必要であるとの意見》に対しても、《製造業に限って脱法行為を救済するかのような結論にいたる記述は不適切。》と、一蹴しているのです。
◆実効性のある「雇用対策」を急げ
 このように厚生労働省が断言するのであれば尚更のこと、迅速かつ実効性のある雇用対策が必要です。前掲当ブログ記事「提言」のとおり、一国民感情としても、首尾一貫性の無い「総額2兆円の定額給付金支給」については中止を要望し、政府や厚労省には「請負基準の明確化」を望むばかりです。
参考:厚生労働省職業安定局公表資料。厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室資料。