わが国に馴染まなかった“人材派遣”は何が問題だったのか?

◆先進国で市民権を得た「人材派遣」

 「人材派遣」が馴染まなかったのは、日本独自の制度が各種“社会問題”を生んだと言った方が正しいでしょう。欧州や米国等の先進国では「人材派遣」は定着し、市民権を得ています。では、なぜわが国内ではと言うと、他の先進国と比較すると大きな問題点がいくつか出てきます。

◆弊害となった要因は

 政策としては、“同一価値労働同一賃金”でない点が最大要因です。「同一価値労働同一賃金」ならば、派遣社員も正社員も賃金は同等になり、社会問題化した“格差社会”や“ワーキングプア”は生まれていなかったものと推測します。また、国内独自の“終身雇用制度”や“年功序列賃金”も、「同一価値労働同一賃金」の弊害になったことは言うまでもありません。そして、国内の“労働組合”のあり方が、産業別組合というより“企業内組合”であることも要因となり、成るべくしてなった社会問題と言えます。

◆責任を求められるのは「政治や行政」

 マスコミや社会は、“人材派遣会社”や“企業”が作ったものだと言われますが、成るべくしてなったのです。実際のところ、最大の問題は“同一価値労働同一賃金”問題を政治や行政が先送りしてきたことにあるのです。また、日本はILOから指導を受け、是正過程にあることもご承知ください。

【ご参照】

●当ブログ記事(09/12/17日付)
 :『労働者派遣法改正で問われる「同一労働同一賃金」』
●当ブログ記事(09/12/18日付)
 :『ILO条約 わが国が批准したのは『同一報酬条約』』