【その3】『同一労働同一賃金ガイドライン案』(派遣労働者・留意事項・参考海外判例)平成28年12月20日付 厚生労働省

3.派遣労働者
派遣元事業者は、派遣先の労働者と職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情が同一である派遣労働者に対し、その派遣先の労働者と同一の賃金の支給、福利厚生、教育訓練の実施をしなければならない。また、職務内容、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情に一定の違いがある場合において、その相違に応じた賃金の支給、福利厚生、教育訓練の実施をしなければならない。
<留意事項>
ここでいう「無期雇用フルタイム労働者」とは、いわゆる「正社員」を含む無期雇用フルタイム労働者全体を念頭においている。
【参考海外判例】
本ガイドライン案の策定に当たっては、欧州での法律の運用実態の把握を行った。本ガイドライン案の内容を構成するものではないが、参考までに、本ガイドラインの各項目に関連する海外判例を以下に列記する。
2 .有期雇用労働者及びパートタイム労働者
(1)基本給
① 基本給について、労働者の職業経験・能力に応じて支給しようとする場合に関連するもの
(a) 職業能力向上のための特殊なキャリアコースで経験を積み昇進してきている労働者とそうでない労働者とは、同一の状況にあるとはいえない。(Cass.soc.3.5.2006, n.03-42920(フランス))
(b) 前職での職業経験の違いは、当該ポストの要請や実際に求められる責任と関連性をもつ場合にのみ、賃金の違いを正当化しうる。(Cass.soc. 11.1.2012, n.10-19438, inedit(フランス))
(c) 待遇差を正当化するためには、使用者側が資格・経験等を証明する必要がある。(BAG vom 18.3.2014 – 9AZR 694/12(ドイツ))
② 基本給について、労働者の業績・成果に応じて支給しようとする場合に関連するもの
(d) ハーフタイム労働者にはフルタイム労働者の半分の目標数値に到達したことをもって半分の手当が支給されなければならない。(Cass.soc. 4.12.1990, n.87-42341(フランス))
③ 基本給について、労働者の勤続年数に応じて支給しようとする場合に関連するもの
(e) 仮に両者が同じ格付けで同じ職務に就いていたとしても、当該企業への在職期間(勤続年数)の違いを考慮して、賃金の支給額は異なるものとされうる。(Cass.soc. 17.5.2010, n.08-43135(フランス))
(2)手当
① 賞与について、会社の業績等への貢献に応じて支給しようとする場合に関連するもの
(f) 労働者の過去の貢献に報いる功労報償的な性格をもつ特別手当(賞与)について、有期契約労働者に対しても、その貢献の割合に応じて手当を支給すべき。(BAG vom 28.3.2007 – 10 AZR 261/06(NZA 2007,687)(ドイツ))
⑨ 勤務時間内に食事時間が挟まれている労働者に対する食費の負担補助として支給する食事手当に関連するもの
(g) 食事手当の金額の差異は、職務上のカテゴリー(幹部職員/非幹部職員)の違いだけでは正当化されない。(Cass.soc. 15.10.2014, n.13-18006(フランス))
3 .派遣労働者
(h) 派遣労働者は、派遣先の無期契約労働者に付与されるのと同様の食券を付与される権利を有する。(Cass.soc. 14.2.2007, n.05-42037(フランス))
【ご参照】
◆『同一労働同一賃金ガイドライン案』平成28年12月20日付 厚生労働省
 URL  http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000190750.pdf